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仏大統領選、出馬表明の極右評論家が初の政治集会 襲われ負傷も

2021年12月06日(月)14時24分

 12月5日、来年4月の仏大統領選への立候補を表明している極右評論家のエリック・ゼムール氏(写真)は、初の政治集会で数十年にわたるフランスの衰退をはねのける「再征服(reconquest)」を約束した。写真はフランスのビルパントで5日撮影(2021年 ロイター/Christian Hartmann)

[ビルパント(フランス) 5日 ロイター] - 来年4月の仏大統領選への立候補を表明している極右評論家のエリック・ゼムール氏は5日、初の政治集会で数十年にわたるフランスの衰退をはねのける「再征服(reconquest)」を約束した。

1時間半近くにわたった演説で「もし私がこの選挙に勝てば、それは権力の交代ではなく、世界で最も偉大な国の再征服になるだろう」と語った。

同氏は自身の政党を「再征服」と呼んでいると指摘。この言葉は、キリスト教勢力がイベリア半島からイスラム教の支配者を追い出した「レコンキスタ(Reconquista)」として知られる歴史的な時代を連想させるものだ。

トランプ前米大統領の最初の立候補時のように、ゼムール氏は移民と税金の削減を約束。主催者発表で1万5000人とされる支持者は旗を振り、歓声を上げた。ロイターの集計では支持者の数は約1万人だった。

一方、演説の際、反人種差別のTシャツを着て椅子に立とうとした抗議活動中の数人に対し、ゼムール氏の支持者が殴りかかったり、椅子を投げつけたりした。抗議を行った活動家が所属する協会によると、5人の活動家が負傷した。

これとは別に、ゼムール氏が演説のために群衆の間を通り抜けて演台に向かった際、1人の男が突進して同氏の首をつかんだものの、すぐに警備員にタックルされ、警察に身柄を拘束された。

ゼムール氏はそのまま演説を続けたが、仏紙ルモンドによると、陣営はその後、同氏がこの事件で負傷し、医師から9日間の休養を命じられたと発表した。

集会が始まる前には、パリの北にある巨大なコンベンションホールの近くで警察当局が、ゼムール氏に反対する数十人のデモ参加者を逮捕するなどした。また、パリでは数百人がデモ行進を行った。

元ジャーナリストのゼムール氏は、人種的憎悪をあおった罪で有罪判決を受けたことがある。現状では、選挙の決選投票で現職のマクロン氏と戦う候補者の座を、長年極右の活動をしてきたマリーヌ・ルペン氏と争っている。

ロイター
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