ニュース速報

ワールド

オミクロン株、世界各地に広がる 各国で対策強化の動き

2021年11月29日(月)07時31分

 11月28日、南アフリカで最初に見つかった新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン」の感染が世界各地に広がっている。イスラエル・テルアビブの空港で撮影(2021年 ロイター/Amir Cohen)

[ロンドン/アムステルダム 28日 ロイター] - 南アフリカで最初に見つかった新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン」の感染が世界各地に広がっている。27日に英国、ドイツ、イタリアなどで新たな感染者が確認されたのに続き、28日にはオランダ、デンマーク、オーストラリアでも報告され、渡航制限を導入する動きも広がっている。

世界保健機関(WHO)はオミクロン株について、他の変異株と比べて感染力や重症化リスクが高いかどうかは、まだ明らかになっていないと説明。把握には数日から数週間かかるとの見解を示した。

また、ワクチンを含む既存のウイルス対策にどういった影響があるか調べるため、専門家と協力しているとした。

英国は、主要7カ国(G7)の保健相による緊急会合を29日に開催すると発表した。

オランダの保健当局は、26日に南アからアムステルダムに到着した航空機2機の乗客からオミクロン株への感染者が13人確認されたと発表した。乗客約600人のうち61人に陽性反応があり、オミクロン型への感染かどうか調べていた。

同国の保健相は、記者団に対し「これは氷山の一角かもしれない」と語った。

WHOは26日、独立専門家会合を開き、オミクロン株を「懸念される変異ウイルス(VOC)」に指定した。

現在、オーストラリア、ベルギー、ボツワナ、英国、デンマーク、ドイツ、香港、イスラエル、イタリア、オランダ、南アで検出されている。

感染拡大を阻止するため、多くの国がアフリカ南部への渡航を禁止・制限している。

イスラエルは27日夜、全ての外国人の入国を禁止し、テロ対策に用いている通話データの追跡技術を再び採用して、オミクロン株の感染拡大を抑制する方針を発表した。

ベネット首相によると、入国禁止措置は政府の承認を経て14日間導入される。

英国は、入国時の検査の厳格化や小売店内などでのマスク着用義務などの対策を打ち出している。

28日にはインドネシアやサウジアラビアなど、さらに多くの国がアフリカ南部への渡航制限を発表した。

南アのラマポーザ大統領は、こうした措置は不公平で、自国経済に悪影響を及ぼす可能性があると指摘。新たな変異株を早期に発見した科学的能力が罰せられていると非難した。

南アの医師によると、オミクロンの症状は今のところ軽度で、自宅で治療できるという。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン大統領、経済の一部セクター減産に不満 均衡

ワールド

プーチン氏、米特使と和平案巡り会談 欧州に「戦う準

ビジネス

次期FRB議長の人選、来年初めに発表=トランプ氏

ビジネス

ユーロ圏インフレは目標付近で推移、米関税で物価上昇
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 3
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドローン「グレイシャーク」とは
  • 4
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 5
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 6
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 7
    【香港高層ビル火災】脱出は至難の技、避難経路を階…
  • 8
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中