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北朝鮮、弾道ミサイルを東方沖へ発射 SLBMの可能性も

2021年10月19日(火)14時05分

 日韓当局は、北朝鮮が19日に弾道ミサイルを東方沖に向けて発射したと発表した。写真は北朝鮮の国旗。ジュネーブで2014年10月撮影(2021年 ロイター/Denis Balibouse/File Photo)

[東京/ソウル 19日 ロイター] - 日韓当局は、北朝鮮が19日に弾道ミサイルを東方沖に向けて発射したと発表した。

韓国軍合同参謀本部(JCS)によると、弾道ミサイル1発が現地時間午前10時17分ごろに新浦付近から発射された。

JCSは「状況を注視している。さらなる発射の可能性に備え、米国と緊密に連携している」とした。

岸田文雄首相は19日、記者団に対し、北朝鮮が弾道ミサイル2発を発射したと述べ、先日に続いて連続で発射していることを「大変遺憾に思う」と語った。

韓国の中央日報紙が軍関係者の話として報じたところによると、政府は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験の可能性があると推測している。北朝鮮は今回ミサイルが発射された地域から他の種類のミサイルも発射している。

韓国の聯合ニュースは政府筋の話として、日米韓の情報機関トップが今週初めにソウルで非公開の会合を開き、北朝鮮問題などを協議する方針と伝えていた。

また、韓国では19日、各国の防衛産業、軍事関係者が集まる防衛装備品の展示会が始まり、ソウルでの開会式に海外企業などが出席した。

次世代の戦闘機や攻撃ヘリ、ドローン(小型無人機)などの最先端兵器、宇宙ロケットなどが展示され、韓国で開催される防衛関連展示会としては過去最大となる。

21日には初の国産宇宙ロケットの試射が予定されている。

アナリストは、韓国のロケットが兵器として使われる可能性は低いものの、こうしたロケットの試射を北朝鮮は歓迎しないと指摘する。

韓国統一省は、北朝鮮との定期連絡は19日も通常通り行われたと発表。ミサイル発射についてはコメントしなかった。

コリア・リスク・グループのチャド・オキャロル最高経営責任者(CEO)は今回の弾道ミサイル実験について、「昨年夏から今年にかけて国内で起きた問題の最悪期が終わったことを示唆している」とツイッターで指摘。「北朝鮮は一度に一つの大きな戦略的問題に集中する傾向があるので、今回の実験は軍事政策を、その後は外交政策を優先することを示唆しているかもしれない」と述べた。

韓国・梨花大学のリーフ・エリック・イーズリー教授は、新型コロナウイルス流行を受けた独自の国境封鎖で経済的に苦境に立たされているが、北朝鮮は猛烈な勢いでミサイル開発を続け、核開発も拡大していると分析。「金正恩体制は、国境制限を徐々に緩和して国外への関与を限定的に再開しているが、合わせて軍事的近代化を進めるためにミサイル実験を行っている」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
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