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EU外相会合、ベラルーシへの追加制裁を協議 不法移民巡り
欧州連合(EU)は10月18日、外相会合を開き、ベラルーシへの新たな経済制裁について議論した。ベラルーシ経由で不法移民が域内諸国に流入しているとして、航空会社などを対象にした制裁が検討されている。写真はポーランドとの国境を越えてベラルーシに入国したイラクからの移民。14日撮影(2021年 ロイター/Kacper Pempel)
[ルクセンブルク 18日 ロイター] - 欧州連合(EU)は18日、外相会合を開き、ベラルーシへの新たな経済制裁について議論した。ベラルーシ経由で不法移民が域内諸国に流入しているとして、航空会社などを対象にした制裁が検討されている。
外交筋によると、制裁提案はもともと議題に含まれていなかったため、ベラルーシが週末にフランス大使の国外退去を決定したことへの報復措置とする可能性があるという。
ベラルーシは、ルカシェンコ大統領が再選を果たした2020年8月の大統領選の不正を訴えるデモの弾圧を巡り、すでに大規模な経済制裁に直面している。
多くのEU諸国はまた、ルカシェンコ氏がイラクやイラン、アフリカからの不法移民をベラルーシ経由で他国に送り込んでEUを不安定にしていると非難している。
ラトビアのリンケービッチ外相は「より厳しい制裁を導入する必要がある」と指摘。ベラルーシ国営のベラビア航空に全面的な制裁を科し、いかなる支援も受けられないようにする必要があると述べた。
ベラビア航空はすでにEU域内の上空通過を禁止されているが、アイルランドなどの域内諸国から航空機をリースしている。
アイルランドのコーブニー外相はルクセンブルクで記者団に対し、「アイルランドはベラルーシ政権への制裁・圧力強化を望んでいるが、実行可能なものであることを確認しなければならない」と述べ、既存のリース契約への影響を懸念しながらも、今後については取引を控えることに前向きな姿勢を示した。
EUは、個人に対する新たな制裁も準備しており、不法移民の流入を助長するキャンペーンに関与したとみられるベラルーシ外相も対象になる可能性がある。
ドイツのマース外相によると、今後数日の間にさらなる協議が行われる。