ニュース速報

ワールド

タイ中銀、9会合連続で政策金利据え置き 今年の成長率予想下げ

2021年06月23日(水)18時32分

[バンコク 23日 ロイター] - タイ中央銀行は23日、政策金利の翌日物レポ金利を過去最低の0.50%に据え置くことを決めた。新型コロナウイルスの感染第3波に見舞われる中、2021年の経済成長率予想は引き下げた。

決定は全会一致。これで9会合連続で金利を据え置いた。

ロイター調査でも、22人のエコノミスト全員が据え置きを予想していた。

中銀は声明文で、国内の経済成長に大きな下振れリスクがあると指摘。金融政策は引き続き緩和的な状態にとどまると付け加えた。

ただ、さらなる政策手段の余地は限定的で、最も効果的な時期にその手段を用いる用意があるとした。

中銀は「新型コロナ感染第3波により、タイの景気回復は従来見通しよりも緩慢かつまだら模様になるだろう」と指摘。「新たな感染の波に伴う経済見通しへの下振れリスクも引き続き大きい」とした。

中銀は2020年上半期に3度の利下げを行って以来、金利を据え置いている。

タイ中銀は、今年の成長率は1.8%との予想を示し、前回予想の3.0%を引き下げた。また、観光業界への依存度が高いタイの今年の観光客数をほんの70万人と予想。従来は300万人になると見込んでいた。

一方、今年の輸出伸び率見通しを10%から17.1%に引き上げた。世界経済の回復状況に合わせた。

カシコン銀行の資本市場調査担当責任者、Kobsidthi Silpachai氏は「政策金利は少なくとも向こう12カ月は据え置かれるとみている。インフレ率は明白なそこにある危険ではない」と指摘。しかし、「GDP(国内総生産)の90%近くとなっている家計債務は厄介な問題であり、インフレや経済不均衡の高進・拡大を巡るオーバーハングとなるだろう」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中