ニュース速報

ワールド

ロシア、米外交官10人を国外退去へ 米制裁に対抗

2021年04月17日(土)04時53分

ロシアのペスコフ大統領報道官は16日、米国による対ロ制裁を受け、プーチン大統領(写真)が対抗措置を検討すると明らかにした。しかし、決定の時期は明確にしなかった。写真は4月14日、モスクワで撮影(2021年 ロイター/Sputnik/Alexei Druzhinin/Kremlin via REUTERS)

[モスクワ 16日 ロイター] - ロシアのラブロフ外相は16日、米国による対ロ制裁を受け、米外交官10人の国外退去を求めると発表した。

米政府は15日、ロシアによる昨年の米大統領選への介入やサイバー攻撃など「悪質」な活動に対する報復として、包括的な制裁措置を発動し、情報当局者を含め外交官10人を国外追放すると発表した。

ラブロフ外相はさらに、制裁対象に追加する米政府高官8人のリストを公表するほか、ロシア国内で事業を展開する米企業を標的とした「痛みを伴う」措置を講じる可能性を検討するとした。

内政干渉につながる恐れのある米国の基金や非政府組織(NGO)のロシア国内での活動をやめさせる方針も示した。

バイデン米大統領が提案した米ロ首脳会談については、精査中とした。

ロシア外務省はこのほか、レイ連邦捜査局(FBI)長官、ヘインズ国家情報長官、ガーランド司法長官、マヨルカス国土安全保障長官を含む8人の現職と元米政府高官のロシア入国を禁じると発表した。

ロシアは米国の制裁措置に素早く対応し、対抗措置はプーチン大統領が承認した。ただ、米国との対話の道は閉ざさず、米ロ首脳会談実現の可能性も否定しなかった。

ロシア外務省は声明で「今こそ米国は理性を働かせ、対立的な軌道を修正するときだ」とし、 米国がロシアに駐在させる外交官の数を300人まで削減させることも可能だが、現時点でこうした措置は取らないと表明した。

ロシアの対応について、ホワイトハウスからコメントは得られていない。

ロシアのペスコフ大統領報道官はこれに先立ち、米国による対ロ制裁は「容認できない」とし、時期は明確にしなかったものの、プーチン大統領が対抗措置を検討すると明らかにしていた。

ペスコフ報道官は「相手側の用意が整っていれば、ロシアには対話を行う用意があると、プーチン大統領は繰り返し表明しており、その点でバイデン米大統領と見解が一致していることはポジティブだ」としつつも、「互恵的な関係の構築や相互利益の考慮という点で、両首脳の見解は決定的に一致していない」と述べた。

ペスコフ報道官はまた、米国が主催する気候変動サミットにプーチン大統領が出席するかどうかまだ決定していないと明らかにした。

*情報を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中