ニュース速報

ワールド

米シェールオイル各社、原油高で売りヘッジ=関係筋

2021年01月18日(月)07時38分

 米シェールオイル生産会社各社は1月15日、原油価格がほぼ1年ぶりの高値水準に上昇していることを利用して、先物・オプション市場で売りヘッジを行い、将来の売却価格を現在の高値水準で固定しているもようだ。複数の関係筋が明らかにした。写真はテキサス州の生産施設、2020年5月撮影(2021年 ロイター/Jennifer Hiller)

[ニューヨーク/ヒューストン 15日 ロイター] - 米シェールオイル生産会社各社は、原油価格がほぼ1年ぶりの高値水準に上昇していることを利用して、先物・オプション市場で売りヘッジを行い、将来の売却価格を現在の高値水準で固定しているもようだ。複数の関係筋が明らかにした。

米原油先物相場は今月、1バレル=50ドル超に上昇し、昨年2月以来の高値を付けた。この値上がりでシェール会社の間では期待感が広がったが、新型コロナウイルスの世界的流行による需要崩壊に身構える状況が続く中、増産する準備はできていない。

米原油生産は2019年終盤に日量約1300万バレルとピークに達したが、新型コロナのロックダウン(都市封鎖)措置などで燃料需要が急減、原油価格が大幅下落し、現在は同1100万バレル前後となっている。年内に生産が大幅に増えるとは予想されていないが、いまヘッジした分は、仮に今後再び価格が下がったとしても、バレル当たり50ドル超での販売が保証されている。

水圧破砕掘削(フラッキング)で北米2位のリバティ・オイルフィールド・サービシズのクリス・ライト最高経営責任者(CEO)は「ヘッジが多く行われている」と指摘。「現在の価格水準なら、広範な鉱区を持つ生産会社はかなりうまくやっていけるだろう」と語った。

石油・ガス業界に助言している米投資銀行ペトリエ・パートナーズのペトリエ会長は、現在ヘッジを行っている生産各社は生産の約15─20%分をヘッジしている可能性が高いとの見解を示した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中