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英EU、移行期間内の全課題解決は「不可能」=欧州委員長
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欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、欧州連合(EU)と英国が将来的な関係を巡り年末までに全ての課題について交渉するのは「基本的に不可能」と述べた(2020年 ロイター/TOBY MELVILLE)
[ロンドン 8日 ロイター] - 欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、欧州連合(EU)と英国が将来的な関係を巡り年末までに全ての課題について交渉するのは「基本的に不可能」と述べた。
ジョンソン英首相との会談に先立ちロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで行った講演で、年末までとされている英EU離脱後の移行期間について「極めてタイトで、私が指摘してきた全てについて交渉するのは基本的に不可能だ。優先順位をつける必要がある」と語った。
フォンデアライエン氏は、優先して解決すべき課題は国際通商条約に依存しない分野だとし、「オール・オア・ナッシングではなく、優先度の問題」と指摘。ただ、単一市場や関税同盟の全体性を守るためにEUの優先事項について妥協はできないと強調した。
また、協議の進展は年央、できれば「夏前」に点検が必要だとし、協議延長の必要性にも含みを持たせた。
英首相官邸の報道官は、この日行われたジョンソン氏とフォンデアライエン氏との会談は前向きなものだったとした上で、ジョンソン氏は20年末までとされる移行期間を延長しない旨を改めて伝えたと明らかにした。
また英国はEU離脱後も高い労働基準と環境基準を維持するが、EU規則や欧州司法裁判所の司法権との連携を受け入れるつもりはないとした。
*内容を追加しました。