ニュース速報

ビジネス

仮想通貨が上昇、規制・投資環境に変化

2023年07月14日(金)17時54分

 7月14日、暗号資産(仮想通貨)が規制・投資環境の変化を背景に値上がりしている。写真は2022年8月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic)

[シンガポール 14日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)が規制・投資環境の変化を背景に値上がりしている。

米連邦地裁が13日、リップル社の仮想通貨XRPについて一般投資家に販売される場合は「有価証券」に該当しないとの判断を示したことや、米資産運用大手ブラックロックが先月、ビットコインの現物ETF(上場投資信託)の承認申請を行ったことなどが背景だ。

ビットコインはビットスタンプ取引所で昨年6月以来の高値となる3万1818ドルに上昇。年初からの上昇率は90%以上、過去1カ月で30%近く値上がりしている。

時価総額2位の仮想通貨であるイーサも3月以来の上昇率を記録。XRPは73%急騰した。

仮想通貨運用会社アストロノート・キャピタルのマシュー・ディブ最高投資責任者は「規制環境が変わりつつある。過去24時間の動きを見る限り、良い方向に変わる可能性がある」と指摘。

デジタル資産のマーケットメーカー、キーロックでアジアのビジネス開発を統括するジャスティン・ダヌタン氏も「リップルの投資家は規制上の扱いが明確になるのを待っていた」とし、今回の判決は文言がやや不明確だが「恐らく判例として扱われるだろう」と述べた。

市場では、アルトコインのソラナ、マティック、ステラも15─50%上昇。仮想通貨取引所コインベースの株価も24%値上がりした。

仮想通貨ヘッジファンドのアルト・タブ・キャピタルのグレッグ・モリッツ最高執行責任者(COO)は「中央集権型の仮想通貨が有価証券でないとすれば、米商品先物取引委員会(CFTC)が業界の主な規制機関となる可能性が高いのではないか。これは業界の大半の人が望んでいることだろう」との見方を示した。

市場関係者によると、アルトコインの流動性は低いが、ビットコインとイーサの流動性は着実に改善している。

オーストラリアのブローカー、ペッパーストーンの調査責任者クリス・ウェストン氏は「業界ではずっと悪いニュースが続いていた。久しぶりに良いニュースが相次ぎ、市場が勢いづいている」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

サウジ、パレスチナ「2国家解決」促進で国際同盟結成

ビジネス

弱い経済指標続くユーロ圏、ECB10月利下げを後押

ビジネス

人民元、対ドルで23年5月以来の高値で終了 国有銀

ビジネス

タイ社会保障基金、海外プライベート資産に116億ド
MAGAZINE
特集:羽生結弦が能登に伝えたい思い
特集:羽生結弦が能登に伝えたい思い
2024年10月 1日号(9/24発売)

被災地支援を続ける羽生結弦が語った、3.11の記憶と震災を生きる意味

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ日本の伝統文化? カギは大手メディアが仕掛ける「伝検」
  • 2
    白米が玄米よりもヘルシーに
  • 3
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断された手足と戦場の記憶
  • 4
    中国で牛乳受難、国家推奨にもかかわらず消費者はそ…
  • 5
    50年前にシングルマザーとなった女性は、いま荒川の…
  • 6
    猫のために福祉施設や生活保護を拒否するホームレス…
  • 7
    イスラエルへの「ダブルスタンダード」に、今こそ国…
  • 8
    爆売れゲーム『黒神話:悟空』も、中国の出世カルチ…
  • 9
    解雇規制緩和はジョブ型雇用とセットでなくては機能…
  • 10
    自著をヒットさせてきたライターが語る「本を出した…
  • 1
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感...世界が魅了された5つの瞬間
  • 2
    がん治療3本柱の一角「放射線治療」に大革命...がんだけを狙い撃つ、最先端「低侵襲治療」とは?
  • 3
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖
  • 4
    白米が玄米よりもヘルシーに
  • 5
    メーガン妃に大打撃、「因縁の一件」とは?...キャサ…
  • 6
    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…
  • 7
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断さ…
  • 8
    浮橋に集ったロシア兵「多数を一蹴」の瞬間...HIMARS…
  • 9
    レザーパンツで「女性特有の感染症リスク」が増加...…
  • 10
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 4
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 5
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 6
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 7
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 8
    「ローカリズムをグローバルにという点で、Number_i…
  • 9
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つ…
  • 10
    無数のハムスターが飛行機内で「大脱走」...ハムパニ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中