ニュース速報

ビジネス

中国恒大、デフォルト間近に 佳兆業も返済不能か

2021年12月08日(水)05時50分

 12月7日、資金繰り難に陥っている中国不動産大手、中国恒大集団の一部オフショア債保有者が30日間の猶予期間切れとなる米ニューヨーク時間6日深夜までに利払いを受け取っていないことが分かった。写真は深センで9月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

[香港/上海 7日 ロイター] - 資金繰り難に陥っている中国不動産大手、中国恒大集団の一部オフショア債保有者が30日間の猶予期間までに利払いを受けていないことが分かった。事情に詳しい関係筋が明らかにした。これにより、世界で最も多額の債務を抱える不動産開発業者による大規模なデフォルト(債務不履行)となる可能性が出てきた。

中国不動産市場の流動性危機に拍車をかけているのが、同業の佳兆業集団。関係者によると、中国恒大に次いで海外債務の多い佳兆業も債券保有者との交渉がうまくいかず、7日に満期を迎える4億ドルの債券がデフォルトする恐れがある。

中国恒大集団の利払いはもともと先月が期限となっていた。この8250万ドルの利払いができなければ、オフショア債は正式にデフォルト(債務不履行)となる。その場合、「クロスデフォルト」条項により約190億ドルのオフショア債が同時にデフォルトとみなされる。中国史上最大規模のデフォルトとなる可能性がある。

中国恒大はコメントの要請に応じなかった。佳兆業はコメントを控えた。

ある債権者はデフォルトについて「『もし』ではなく『いつ』かという問題であり、利払いや来年初めの償還金額の規模からみて、これ(デフォルト)は避けられないように思われる」と述べた。

また関係者の1人によると、中国恒大は支払い遅延について社債権者に何の連絡もしていないという。

中国恒大は6日、国家機関の当局者を含むリスク管理委員会を設置したと発表した。恒大グループの「将来のリスクを軽減し排除する」ために重要な役割を果たすとしている。

市場関係者によると、中国恒大の問題はおおむね中国国内に限られ、影響が国際的に波及する可能性は低いとみられる。

デュレーション・ファイナンスのデータによれば、6日深夜に利払いの猶予期間が切れた2つのトランシェの一つである2022年11月6日満期債は額面1ドル当たり18.282セントとほぼ変わらずだった。

<佳兆業は債券保有者と協議>

佳兆業のデフォルトリスクは先週浮上した。

関係筋は全体的なデフォルトを避けるために、債券の50%以上を保有する債券保有者が6日夜、猶予条件の草案を送ったと明らかにした。佳兆業は先週、保有者と支払い猶予について協議を始めたという。

別の関係者は、協議は予備段階で最終的な条件の決定には時間がかかるとの見通しを示した。

佳兆業は協議には柔軟と述べたが、詳細な説明は控えた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

景気判断「緩やかに回復」維持、物価高継続の影響など

ワールド

9月改定景気動向指数、114.6で速報値と変わらず

ビジネス

利上げで逆ザヤ発生、国債評価損32.8兆円と過去最

ワールド

韓国与党、対米投資資金3500億ドル確保へ 基金設
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中