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市場の金融緩和観測、過度に「短絡的」=中国政府系新聞

2021年12月06日(月)14時08分

 12月6日、中国国務院系の経済日報は、市場で金融緩和観測が高まっていることについて、金融政策措置を「短絡的」に解釈すべきではないとする論評記事を掲載し、大規模な信用供給への期待をけん制した。写真は中国人民銀行(中央銀行)。北京で昨年4月撮影(2021年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)

[北京 6日 ロイター] - 中国国務院系の経済日報は6日、市場で金融緩和観測が高まっていることについて、金融政策措置を「短絡的」に解釈すべきではないとする論評記事を掲載し、大規模な信用供給への期待をけん制した。

中国の李克強首相が3日、銀行預金準備率(RRR)を「適切な時期に」引き下げると述べたことを受け、市場では人民銀行(中央銀行)が金融政策を緩和するとの観測が急速に高まった。

経済日報は6日の論評記事で「これはマクロ政策の短絡的な解釈であり、容易に誤解につながる可能性がある」と指摘。

中国の金融政策はその継続性や安定性をより重視しつつ、政府の短期的・長期的目標を考慮すると強調した。

緩和観測の高まりを背景に、10年物中国国債の利回りは6日序盤の取引で5ベーシスポイント(bp)近く低下した。

野村のアナリストは6日のリポートで、中国経済と特に不動産セクターの状況は一段と悪化すると予想し、中国政府は経済のハードランディング(急減速)回避に向けて2022年春にも緩和措置を大幅に強化せざるを得ない可能性があると指摘した。

だが経済日報は、大規模な景気支援策の可能性を否定し、中国は下押し圧力に対応するため、より的を絞った政策を実施すると論じた。

金融政策と財政政策、産業政策の間の調整も強化される見込みとした。

ロイター
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