ニュース速報

ビジネス

トルコGDP、第3四半期は前年比+7.4% 消費や輸出が好調

2021年11月30日(火)23時34分

11月30日、トルコ統計庁が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比7.4%増となり、市場予想とほぼ一致した。イスタンブールで3月撮影(2021年 ロイター/Murad Sezer)

[イスタンブール 30日 ロイター] - トルコ統計庁が30日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比7.4%増となり、市場予想とほぼ一致した。

個人消費、製造業、輸出が好調だったが、政策に対する懸念は払拭されていない。

季節・カレンダー調整ベースの前期比では2.7%増だった。

年初から最大45%下落しているリラは、統計発表後に0.8%下落し、1ドル=12.9リラまで下げた。

その後も下げ幅を拡大し、3%下落の1ドル=13.2ドルと、先週付けた史上最安値に近づいた。ゴールドマン・サックスによると、今回のリラ下落は史上5番目に大きなものだという。

アナリストらは、リラ安が今後の成長率に与える影響を懸念している。

ゴールドマン・サックスは、2021年の成長率予測を9.5%から10.5%に上方修正する一方、2022年の成長率予測を半分に下方修正し3.5%とした。

トルコのエルドアン大統領は、利上げに反対し、経済成長、雇用、投資を優先する方針を示している。

ブルーベイ・アセット・マネジメントのティム・アッシュ氏は「利下げで実質GDP伸び率を押し上げられるかもしれないが、通貨安、インフレ進行、マクロの金融安定に対する長期的な懸念という代償が伴う」と指摘。

「こうした状況が長期化すれば、経済のシステミックリスクがその分高まる。特にインフレが制御不能になり、取り付け騒ぎが起きるリスクだ」と述べた。

ロイター調査では、第3・四半期のGDPは前年比7.5%増と予想されていた。通年の予想は9.5%増だが、最近のリラ急落やインフレ進行で今後数カ月は景気が鈍化するとみられている。

第2・四半期のGDPは前年比21.7%増から22.0%増に修正された。前年同期は新型コロナウイルスの感染予防対策で景気が急減速していた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ和平交渉団帰国へ、ゼレンスキー氏「次の対

ワールド

ベネズエラ、麻薬犯罪組織の存在否定 米のテロ組織指

ビジネス

英予算責任局、予算案発表時に成長率予測を下方修正へ

ビジネス

独IFO業況指数、11月は予想外に低下 景気回復期
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナゾ仕様」...「ここじゃできない!」
  • 4
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 10
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中