ニュース速報

ビジネス

格付け会社、オミクロン株に警戒 世界的な景気見通し阻害の恐れ

2021年11月30日(火)07時11分

 格付け会社のムーディーズとフィッチ・レーティングスは11月29日、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」で世界的な景気見通しが阻害されるほか、物価が押し上げられる恐れがあるとの警戒感を示した。ジャカルタ近郊の空港で撮影(2021年 ロイター/Willy Kurniawan)

[29日 ロイター] - 格付け会社のムーディーズとフィッチ・レーティングスは29日、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」で世界的な景気見通しが阻害されるほか、物価が押し上げられる恐れがあるとの警戒感を示した。

ムーディーズのアソシエート・マネジングディレクター、エレナ・ダガー氏はロイター宛の電子メールで「特に現在は供給網の混乱が見られ、物価が上昇し、労働力が不足しているため、オミクロン株は世界的は経済成長とインフレに対するリスクになる」と指摘。年末年始の旅行と消費需要が高まる時期に大きな被害をもたらす恐れがあるとした。

その上で、これまでに出現した変異株の動向を踏まえると、渡航制限などでオミクロン株の拡散を防ぐの難しいと予想されるとし、「オミクロン株による感染拡大の新たな波が発生すれば、ワクチン接種率が低い国、観光業への依存度が高い国、財政・金融政策を導入する余力が小さい国が最も大きな打撃を受ける」と警告した。

フィッチ・レーティングスは、「2020年前半に見られたような大規模な世界的景気後退が起きる可能性は極めて低い」としながらも、オミクロン株が定着した場合、物価上昇によりマクロ経済的な対応が複雑になるとの見方を示した。

世界保健機関(WHO)はこの日、オミクロン株について、世界的に広がる可能性が大きいとの認識を表明。一部地域で感染者が急増し「深刻な結果」をもたらす可能性があり、グローバルなリスクが「非常に高い」とした。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、日韓などアジア歴訪 中国と「ディ

ビジネス

ムーディーズ、フランスの見通し「ネガティブ」に修正

ワールド

米国、コロンビア大統領に制裁 麻薬対策せずと非難

ワールド

再送-タイのシリキット王太后が93歳で死去、王室に
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 2
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任務戦闘艦を進水 
  • 3
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元に現れた「1羽の野鳥」が取った「まさかの行動」にSNS涙
  • 4
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 5
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 6
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 7
    為替は先が読みにくい?「ドル以外」に目を向けると…
  • 8
    アメリカの現状に「重なりすぎて怖い」...映画『ワン…
  • 9
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 10
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中