ニュース速報

ビジネス

米財貿易赤字、9月は9.2%増 在庫はまちまち

2021年10月28日(木)02時10分

10月27日、米商務省が公表した9月の財(モノ)の貿易収支(速報値)は赤字額が963億ドルとなり、前月より9.2%増えた。モノの輸出が4.7%減った一方、輸入は0.5%増加した。写真は2020年3月撮影(2021年 ロイター/Tom Brenner)

[ワシントン 27日 ロイター] - 米商務省が27日公表した9月の財(モノ)の貿易収支(速報値)は赤字額が過去最高の963億ドルとなり、前月より9.2%増えた。モノの輸出が4.7%減った一方、輸入は0.5%増加した。

自動車の輸出が2.0%減少したほか、資本財や工業用品の輸出も大幅に減少。自動車は輸入も7.7%減少した。

モノの貿易赤字が輸出の減少に伴って急増し、第3・四半期の経済成長で再び重しとなった可能性を示唆した。第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は今月28日に発表される。

財貿易赤字の拡大を受け、JPモルガンは第3・四半期のGDP成長率予想を従来の年率3.0%から同2.9%に引き下げ。ゴールドマン・サックスも0.5%ポイント引き下げ2.75%とした。

同時に発表された9月の卸売在庫は1.1%増え、小売在庫は0.2%減。世界的な半導体不足に伴う自動車の減産の影響で、自動車販売店の在庫が2.4%減ったのが響いた。

GDPの算出に用いられる、自動車を除く小売在庫は0.6%増えた。

ロイターのエコノミスト調査では、第3・四半期の経済成長率は年率2.7%増を予想。伸び率は第2・四半期の6.7%から減速する。

在庫は上半期に大幅減。エコノミストは、第3・四半期には在庫減少のペースが弱まり、GDPの予想成長率の大部分に寄与すると見込んでいる。

貿易は1年前からGDP成長の足かせとなっており、在庫は2四半期連続でGDPの押し下げ要因となっている。

ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ルビーラ・ファルーキ氏は、パンデミックによる混乱やサプライチェーン(供給網)の寸断などが続くだろうが、これらの影響が緩和し、世界経済が回復するにつれ、最終的にはリバランスされると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

再送米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意

ワールド

国際刑事裁の決定、イスラエルの行動に影響せず=ネタ

ワールド

ロシア中銀、金利16%に据え置き インフレ率は年内
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中