ニュース速報

ビジネス

日本電産、家電向け好調で上方修正 円安も追い風

2021年10月26日(火)19時03分

10月26日、日本電産は、2022年3月期の連結業績見通しを1900億円へ上方修正すると発表した。写真は日本電産のロゴ。都内で2018年7月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 26日 ロイター] - 日本電産は26日、2022年3月期の連結営業利益見通しを1900億円へ上方修正すると発表した。家電向けなどの高付加価値品が予想を上回る好調だったことに加え、円安も追い風になった。

従来予想は1800億円。IBESがまとめたアナリスト20人の予想平均値は1921億円だった。

上期の成長をけん引したのは「家電・商業・産業用」グループ。営業利益は前年同期比84%増の405億円となった。家電向けコンプレッサや空調機器向けモータなど、省エネ対応など高付加価値の新製品がけん引した。

会見した永守重信会長は「収益性の高い新製品が市場に出た。来年第4・四半期を目標に(同部門の)営業利益率を15%ぐらいへ引き上げる」方針を明らかにした。工場の再編成や収益性の高い新製品の投入を進めるという。中間期末の利益率は10%だった。

「車載」グループの営業利益も同89%増の83億円と大幅に増加した。ただ、その主因は新型コロナの感染が急拡大した前年同期の落ち込みが大きかった反動。上期は東南アジアの長期ロックダウンの影響、顧客の半導体不足による出荷減などが重しになったという。

一方、電気自動車を駆動させるトラクションモーターは、受注残が着実に増加。永守会長がEV車の普及が急速に広がり始めるとにらむ25年の同モーター販売台数を従来の280万台から350万台へ上方修正した。

永守会長は「EVで最も競争が激しくなるのは100万円以下の低価格車。(世界の年間)販売台数は桁が変わって5億、6億台となるだろう。その7─8割は低価格車。それを確信してやっている」と力説した。

上期の平均レートは1ドル=109.80円と前年同期比3%、1ユーロ=130.90円と同8%円安に振れた。上期全体では円安による増収効果が前期比356億円、営業利益の増益効果が40億円あった。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

貿易収支、11月は予想上回る黒字幅 対米輸出8カ月

ビジネス

日経平均は小幅反発で寄り付く、米雇用統計を通過 短

ワールド

トランプ氏、ベネズエラ出入りの制裁対象タンカー封鎖

ワールド

ザポリージャ原発、2本のうち1本のみの送電線で稼働
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 8
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 8
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中