ニュース速報

ビジネス

米経済、「控えめから緩やかな」成長率で推移=連銀報告

2021年10月21日(木)05時56分

米連邦準備理事会(FRB)は20日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、新型コロナウイルス新規感染者数がピークを過ぎ収束し始めた9月から10月初旬にかけて、米経済は「控えめから緩やかな」成長率で推移したとの見方を示した。2018年8月撮影(2021年 ロイター/Chris Wattie)

[20日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は20日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、新型コロナウイルス新規感染者数がピークを過ぎ収束し始めた9月から10月初旬にかけて、米経済は「控えめから緩やかな」成長率で推移したとの見方を示した。

報告では「短期的な経済活動の見通しは全体的には引き続き明るかったが、一部の地区では不確実性が増し、過去数カ月より慎重な楽観姿勢になっている」とした。11月2─3日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)での審議内容の一部となる。

雇用は増加したが、労働者の供給が少ないため雇用の伸びが抑制されたとしている。大部分の地区が「物価が著しく上昇した」と報告。価格が高止まりもしくは一段と上昇するという見通しが示される半面、今後落ち着くという声も聞かれた。

FRB当局者は8月と9月の雇用の伸びが予想外に弱かったものの、昨年末以降に労働市場が大幅に改善したと大方見られていることから、早ければ11月にも毎月1200億ドルの債券購入の縮小を始める構えだ。

インフレ率は過去数カ月、FRBが目標としている2%を大きく上回っている。FRBの政策担当者は物価上昇の要因に加えて、大方の予想通り2022年に後退するかどうかに強く注目している。

数人の政策担当者は最近、インフレ率が低下しなければ、想定されているより早期に利上げを始める必要性が出てくる可能性があると指摘している。

この点に関してベージュブックでは、大部分の地区がサプライチェーン(供給網)のボトルネックと労働力の制約による価格上昇圧力を報告した。

複数の地区は「多くの企業が販売価格を引き上げ、需要が力強い中で顧客にコストを転嫁しやすくなっていることを示している」と報告した。

フィラデルフィア地区連銀は、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)前には6万5000ドルだったであろう公認会計士2年目の職に最大で9万ドルを提示している企業があると報告した。

クリーブランド地区連銀は、調査先企業の60%近くの企業が最近賃金を上げたと報告しているが、供給網で商品の生産が遅れている中で、それでも十分ではないようだ。ある自動車ディーラーは「供給網の混乱が労働力の問題を引き起こしている」とし、「売る物がなく、従業員の維持を困難にしている」と指摘した。

ボストン地区連銀は、ある家具小売業が配送や材料費の増加を受けて21年2月以降に30%超値上げしたと紹介した。

サンフランシスコ地区連銀は人材獲得競争と労働者の転職意欲が賃金を押し上げており、銀行部門の調査先企業の一つは「賃金戦争」と呼んでいると報告した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏 、 ホルムズ海峡に多くの国が軍艦派遣と

ビジネス

最近の急速なウォン安・円安、深刻な懸念共有=日韓対

ワールド

米戦略石油備蓄の第1弾、来週末までに供給 8600

ビジネス

日立とGEベルノバ、東南アジアで小型モジュール炉導
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革命をもたらす「新世代ドローン」とは?
  • 3
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈祷」を中国がミーム化...パロディ動画が拡散中
  • 4
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 5
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 6
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 7
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 8
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 8
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中