ニュース速報

ビジネス

米ウーバー、第2四半期は赤字拡大 運転手奨励金が圧迫 

2021年08月05日(木)10時32分

米配車大手ウーバー・テクノロジーズが4日発表した第2・四半期決算は赤字幅が拡大した。配車および料理宅配事業は底堅く推移したものの、運転手向け奨励金が収益を圧迫した。写真は2019年5月撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)

[4日 ロイター] - 米配車大手ウーバー・テクノロジーズが4日発表した第2・四半期決算は赤字幅が拡大した。配車および料理宅配事業は底堅く推移したものの、運転手向け奨励金が収益を圧迫した。

引け後の時間外取引で株価は5%下落した。

調整後の利払い・税・償却前損益(EBITDA)は5億0900万ドルの赤字。赤字幅は前四半期から約1億5000万ドル拡大した。リフィニティブのまとめたアナリスト予想は約3億2450万ドルの赤字だった。

年末までにEBITDAの黒字化を目指す目標は堅持し、第3・四半期には赤字幅を1億ドルまで削減する見通しとした。

ウーバーは、新型コロナウイルスのデルタ変異株感染拡大に伴う先行き不透明感についても警告した。

ただ、ダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け決算説明会で、配車事業が低迷しても料理宅配事業がヘッジになる可能性があると指摘。また、7月には今年下期に関する同社の自信を裏付ける傾向が見られたと述べた。

第2・四半期の予約総額は約220億ドルで過去最高を記録。配車サービスの乗客が回復したほか、料理宅配の注文も増えた。

それでもアナリストからは、運転手の確保や新型コロナの影響について質問が相次いだ。

配車業界は需要増加に伴い運転手不足に陥っており、投資家にとっても懸念材料となっている。ウーバーの同業、リフトは3日、運転手不足は第3・四半期も続き、奨励金への追加投資が必要になるとしていた。

ウーバーは、7月に乗客の増加が加速したとし、この傾向は堅調な料理宅配注文と共に今後数カ月続くとの見方を示した。

月間アクティブ運転手・宅配要員は2月から7月までに約42万人増加した。

第2・四半期に運転手向け奨励金制度に投じた額は2億5000万ドル。ウーバーは、米国とカナダで運転手への投資が減っていくにつれて「モビリティー」事業の収益は大幅に改善するとした。

第2・四半期の総コスト・経費は前年同期比57%増の51億2000万ドルとなった。

最終損益は、中国配車大手の滴滴出行(ディディ)や自動運転を手掛ける米オーロラへの投資に絡む利益が寄与して11億ドルの黒字となった。

これらの投資についてウーバーの幹部は、規制上の制限がなくなり、妥当な価格が得られれば、一部売却する可能性があると述べた。

*情報を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市首相、中国首相と会話の機会なし G20サミット

ワールド

米の和平案、ウィットコフ氏とクシュナー氏がロ特使と

ワールド

米長官らスイス到着、ウクライナ和平案協議へ 欧州も

ワールド

台湾巡る日本の発言は衝撃的、一線を越えた=中国外相
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナゾ仕様」...「ここじゃできない!」
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 5
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    【銘柄】いま注目のフィンテック企業、ソーファイ・…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中