ニュース速報

ビジネス

FRB、秋に緩和縮小開始を 「かなり速いペース」望ましい=セントルイス連銀総裁

2021年07月31日(土)00時58分

7月30日、米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、連邦準備理事会(FRB)が今秋にテーパリング(量的緩和の縮小)を開始し、債券購入プログラムを来年初頭に終了するよう「かなり速いペース」で縮小すべきとの見解を示した。写真は2015年2月、ニューヨークでインタビューに応じるブラード総裁(2021年 ロイター/Lucas Jackson)

[ワシントン 30日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は30日、連邦準備理事会(FRB)が今秋にテーパリング(量的緩和の縮小)を開始すべきとの見解を示した。債券購入プログラムを来年初頭に終了させ、必要に応じて来年中の利上げ実施を可能にするため、「かなり速いペース」で縮小することが望ましいとした。

ブラード総裁は「言わば超大型タンカーを適切な時期に正しい方向に動かすことだ」と述べた。また、現時点でFRBには根強いインフレの衝撃に対処する十分な態勢が整っていないとの見方も示した。

総裁は、労働市場では来年中にFRBが利上げに必要としている基準が達成される公算が大きいと指摘。物価情勢については、今年の高インフレはこれまでの低インフレで一部相殺される可能性があるとしながらも、「物価上昇の勢いは強く、必要に応じて来年、抑制に向け正しいリスク管理を行う必要がある」と語った。

その上で、多くの政策担当者の予想通りに物価上昇が自然に緩和した場合は「政策金利をゼロ%近辺にとどめ、利上げ開始を先送りすればよいだけだ。自分自身の考えでは、リスク管理は極めて明確だ」と述べた。

その後、記者団に対し、経済の急成長、高インフレ、住宅バブル発生開始などを踏まえると、米国の金融政策は緩和的すぎるとし、「FRBはハト派方向に傾きすぎている」と述べた。

利上げ開始時期は22年第4・四半期になるとの見方を変えていないとしながらも、FRBは必要に応じてこれよりも早い時期に行動を起こす用意を整えておく必要があるとし、インフレリスクと現在の雇用増を踏まえると、量的緩和縮小の着手を長く待ちすぎれば、後手に回る恐れがあるとの考えを示した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 5
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 6
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 7
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 8
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中