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スズキ、円高で今期営業利益予想7.8%減 前期は最高益
5月10日、スズキは、2017年3月期(今期)の連結営業利益が前期比7.8%減の1800億円の見通しと発表した。写真ロゴはバンコック・モーターショーで3月撮影(2016年 ロイター/Chaiwat Subprasom)
[東京 10日 ロイター] - スズキ<7269.T>は10日、2017年3月期(今期)の連結営業利益が前期比7.8%減の1800億円の見通しと発表した。欧州やインドなどで四輪車の販売増加を計画するが、為替の円高影響で減益を見込む。16年3月期(前期)はインドでの好調などで過去最高益を更新した。
トムソン・ロイターのスターマイン調査によるアナリスト24人の今期営業利益の予測平均値は2102億円で、会社予想はこれを下回っている。
今期の前提為替レートは1ドル=105円(前期は120円)、1ユーロ=120円(同133円)、1インドルピー=1.60円(同1.85円)。為替の影響で620億円が減益要因になり、特に対インドルピーの影響が大きく266億円悪化する見込み。
今期の売上高は同2.5%減の3兆1000億円、純利益は同20.3%減の930億円をそれぞれ予想。配当は前期と同じ、中間で1株あたり15円、期末に17円、年間で32円を予定する。
今期の四輪車の世界販売計画は同3.3%増の295万6000台。海外は同3.4%増の230万6000台で、このうち主力のインドで同7%増、欧州で12.2%の伸びを見込む。国内は同3.2%増の65万台で、軽自動車は同0.2%増の55万台を見込む。二輪車の世界販売は同0.4%増の150万2000台を目指す。
<スズキ決算、開示時間フライング>
スズキの決算開示は午後3時の予定だったが、告知なく午後1時半に前倒しされるというフライングが起きた。シンガポール株式市場に新株予約権付社債(転換社債=CB)を上場させており、同市場でも適時開示義務がある。東京株式市場では開示時間前の「予約登録」が可能だが、シンガポールにはその制度がなく、担当者がその違いを知らずに送ってしまったため、予定よりも早く開示されてしまったという。
長尾正彦常務役員は同日の決算会見で、「シンガポールが先に出たため、日本でも急きょ(開示を)早めざるを得なかった」と説明、「今後は開示手続きの厳格化を図る」と陳謝した。
<前期はすべての利益が過去最高>
前期連結決算では、売上高が前の期に比べ5.5%増の3兆1807億円と4年連続増収だった。営業利益は同8.9%増の1953億円、純利益は同20.4%増の1167億円と14年3月期以来、2年ぶりに過去最高となった。
前期の四輪車世界販売は同0.2%減の286万1000台。インドは同11.5%増の130万5000台と過去最高だったが、日本、中国、インドネシアなどで減少した。日本は同16.6%減の63万台だった。
*内容を追加しました。
(白木真紀)