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「自粛要請」で外出を控えた日本人は世界に冠たる不思議な人々
ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN
<国民に外出を控えさせるにはどうすればいいか、というジョーク。アメリカ、イギリス、中国、フランス、そして日本。世界にはさまざまな「ステイホーム」がある>
【外出】
コロナ禍において、世界各国の政府が国民に外出を控えるよう求めることになった。
アメリカ政府はこう発表した。
「外出は正義に反する」
アメリカ国民は外出しなくなった。
イギリス政府はこう発表した。
「外出することは紳士的ではない」
イギリス国民は外出しなくなった。
中国政府はこう発表した。
「外出したら拘束する」
中国国民は外出しなくなった。
フランス政府はこう発表した。
「外出しろ」
フランス国民は外出しなくなった。
日本政府はこう発表した。
「外出の自粛を要請します」
日本国民は外出しなくなった。
今回の新型コロナウイルス感染拡大の局面における世界各国の対応は、それぞれの国柄や国民性が色濃く反映された興味深いものとなった。
欧米などの多くの国ではロックダウン(都市封鎖)を実施。罰則を伴う厳しい外出禁止令に踏み切った。
しかし、日本はあくまでも「自粛要請」という「緩い」かたちでの対応を選択。当初、海外の目はこのような日本の姿勢に対して批判的だった。「罰則がなければ外出者数を抑え込めるわけがない」というのが世界の常識だったのである。
世界に冠たる不思議な人々
しかし、日本人は外出を控えた。感染者数は他の主要国よりも桁違いに低い水準で推移した。
そのような実態が明らかになってくると、世界のメディアは「ミラクル」「ジャパン・パラドックス」といった表現で報道するようになった。英紙ガーディアン(電子版)は「今、日本は確固たる証拠を持って、新型コロナ対策に成功した国だと主張することができる」と報道。また、米テレビ局FOXニュースの司会者が日米を比較してツイートすると、こんな声が集まった。
「われわれアメリカ人は『俺たちはできる』という自信ゆえに、常識に従うことができない。日本人は風邪をひいたとき、周囲を守るために何十年もマスクをしてきた」「日本は『われわれ』という部分を意識する。だが、ほとんどのアメリカ人は違う。アメリカ人が心配するのは『私』。アメリカの利己的な部分が破滅の原因」
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