コラム

「バイデンが井戸に毒を入れた」は、なぜ差別扇動投稿なのか

2021年02月17日(水)12時50分

もし投稿した本人が、「軽い気持ち」の「ジョーク」として書き込んだものだったとしても、投稿者の「お気持ち」を尊重する必要はないし、するわけにはいかない。ある行為や言動が差別扇動であるかどうかは、行為者や発話者の意図に関わらないからだ。

SNSで「不謹慎なジョーク」を言えないことを嘆くような、災害時に安全圏からマイノリティを危険に晒しかねない遊びでゲラゲラ笑っているマジョリティに同情する必要はないし、その人格に配慮する必要もない。そうした余計なコストをかけることなく、差別扇動デマを見た場合は、容赦なく通報し、非難を加えるだけで事足りるし、そうしていくべきだろう。

プロフィール

藤崎剛人

(ふじさき・まさと) 批評家、非常勤講師
1982年生まれ。東京大学総合文化研究科単位取得退学。専門は思想史。特にカール・シュミットの公法思想を研究。『ユリイカ』、『現代思想』などにも寄稿。訳書にラインハルト・メーリング『カール・シュミット入門 ―― 思想・状況・人物像』(書肆心水、2022年)など。
X ID:@hokusyu1982

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