アフガニスタン首都カブール空港周辺で爆発、米軍・民間人70人超死亡 ISが犯行声明
アフガニスタンの首都カブールにある空港周辺で26日、少なくとも2回の爆発があり、多数の民間人のほか、米軍関係者少なくとも13人が死亡した。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を発表した。
カブールの保健当局は民間人の犠牲者は60人に上ると発表。現地からの映像では、空港そばの運河で多くの遺体が確認された。
ISは系列のニュースチャンネルを通じ犯行声明を発表し、自爆攻撃によって約60人が死亡、タリバン兵士を含む100人以上が負傷したと主張。自爆攻撃を行った1人が「米軍の通訳と協力者」を狙ったと明らかにした。
米当局によると、当初12人だった米軍関係者の死者は13人に増加。2011年8月にヘリコプターが撃墜され、30人が死亡した事件以来の規模という。
バイデン米大統領はホワイトハウスで演説し、「われわれは許さず、忘れることもない。(実行犯を)捕らえて償わせる」と述べた。その上で、犯行声明を出した「イスラム国コラサン」(ISIS-K)への攻撃計画を策定するよう国防総省に指示したことを明らかにした。ISIS─Kは米国のほか、イスラム主義組織タリバンとも対立している。
米中央軍のマッケンジー司令官は、アフガンにはまだ約1000人の米国人がいるとし、退避を進めると指摘。空港を標的としたロケット弾や車両爆弾など、ISによるさらなる攻撃に備えているとした。
ISによる攻撃は、権力掌握後のアフガンに平和をもたらすと約束するタリバンにとっても難しい課題だ。タリバンの報道官は今回の攻撃を「悪の組織」の犯行と非難し、外国軍が撤退すればなくなると述べた。
空港周辺の脅威
土木技師のZubairさん(24)は、実行犯から50メートルの場所にいたという。「男女や子どもが悲鳴を上げ、多くの負傷者が病院に運ばれた」と証言し、爆発後には銃撃戦もあったと話した。Zubairさんはこの1週間、米国への渡航許可を持ついとこと共に国外へ脱出するため、空港内に入ろうと試みていた。
米政府と同盟国はISの脅威を理由に空港に近づかないよう、民間人に呼び掛けていた。
欧米諸国はこの12日間で約10万人を退避させた。ただ、バイデン氏が8月31日までの軍撤退を指示したことで、退避できない人も数千人に上ると認めている。
ホワイトハウスのサキ報道官は26日、アフガンからの出国を望むアフガン人全員を31日までに退避させるのは不可能との見方を示した。
撤退期限までの数日間は軍部隊の撤退に充てられる。カナダや欧州諸国はすでに退避終了を発表した。
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