【新型コロナ】中国の生物兵器完成を許すな

2021年6月1日(火)18時40分
ゴードン・チャン(ジャーナリスト、作家、弁護士)

「コウモリ、センザンコウ、ミンクやネコをはじめ、これまでどの動物の検体からも、新型コロナウイルスの始祖ウイルス(元凶となったウイルス)は特定されていない」と彼は指摘し、こう続けた。「始祖ウイルスも、ウイルスをヒトにうつした動物も特定されていないということは、新型コロナウイルス感染症が動物原性感染症だとする説には依然、重要な証拠が欠けていることを意味する」

動物からヒトに感染したことを裏づける証拠がないという事実は、新型コロナウイルスが施設で生み出された可能性を示唆しており、その施設として最も考えられるのが武漢ウイルス研究所だ。3人の研究者が体調を崩したという報道のほかにも、ウイルスが同研究所から流出したことを示唆する複数の兆候がある。

たとえば同研究所は、1500株以上のコロナウイルスを保管しており、危険な機能獲得実験(特定の病原体の致死性もしくは感染力を高める実験)を行っていた。安全対策には不備があったし、新型コロナの最初の感染例が報告された場所のすぐ近くにある。ちなみに最初の感染例は、武漢の生鮮市場とは何のつながりもない。同感染症の「動物由来説」を信じる人々が、生鮮市場が感染源だと指摘しがちなだけだ。

中国政府による数々の隠蔽工作

中国政府は、国際社会が同ウイルスの感染拡大を阻止する上で役立ったであろう情報を、なんとかして隠そうとした。たとえば中国の国家衛生健康委員会は2020年1月3日、武漢の複数の当局(および中国国内にある全ての病院や研究施設)に対して、新型コロナウイルスの検体を廃棄するよう指示していた。

さらに中国の当局者たちは、国際社会が同ウイルスの遺伝子情報を入手するのを阻止しようとした。遺伝子配列のデータ公表をできる限り先延ばしにし、また2020年1月に独自にデータを公表した上海の勇敢な研究者たちを処罰した。当局はまた、国際社会に警告を発しようとした者たちを阻止した――陳秋実や張展をはじめとする勇敢な市民ジャーナリストが行方不明になったり収監されたりしたし、「武漢エイト」と呼ばれる8人の医師は当局からきつく口止めされた。

特に2019年12月から2020年2月にかけて、新たな感染症の危険性ついて警告した人々を罰していた間、中国の保健当局者たちはそれが真実であることを知っていたはずだ。

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