米アジア系収入、白人平均を上回る トップはインド系、日系3位
米ピュー・リサーチ・センターも今年4月公開の調査レポートのなかで、「アジア発祥の集団のあいだに収入の大きな隔たりが存在する」と指摘している。最も稼いでいるインド系の中央値は11万9000ドルで、この集団だけでアジア系全体の中央値を大きく引き上げている。
2位はフィリピン系の9万ドルとなり、アジア系全体の中央値を上回っているのは以上の2集団のみだ。8万3000ドルの日本をはじめ、その他の14ヶ国はすべてアジア系中央値の8万6000ドルを下回った。
米CNNはこの結果を報じ、「経済的見地からすればアジア系アメリカ人は、アメリカで最も分離の激しい人種または民族的なグループである」との見方を示している。
一人あたり収入で日系は常時3位を維持している
日系がフィリピン系を下回っているというのは意外なデータだが、これにはちょっとしたカラクリがある。世帯収入で集計を取っているため、大所帯で暮らしている方が収入合計も大きくなるのだ。
そこで、米国勢調査局が公表しているデータから世帯単位ではなく一人あたりの年収を紐解くと、日系アメリカ人は3位となっている。1位はインド系、2位は台湾系となっており、この3集団で常時トップ3を形成している格好だ。
過去10年ほどの推移を見ると、2011年にトップだった日系は翌年台湾に抜かれ、翌々年にインドに追い抜かれる。以降は最新データとなる2019年まで逆転こそ果たしていないものの、常時3位をキープしている状況だ。
2019年の日系の一人あたり年収は5万1999ドルで、すぐ後には中国系(台湾除く)の4万6079ドルが迫る。続く韓国系も2014年ごろまでフィリピンと同水準だったが、以降急速に差を開き、現在は4万3735ドルの位置に付けた。ここまでの集団は、白人平均の4万2106ドルを上回っている。
一方、常時下位のグループは、ネパール、バングラデシュ、ビルマ系などとなった。現時点で最下位のビルマ系は、同じアメリカに暮らすインド系とは3倍以上の収入格差がある。全体として見れば白人よりも豊かなアジア系だが、民族間の格差が課題となっているようだ。
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