【特別寄稿】WHOテドロス事務局長「ワクチン・ナショナリズムがコロナを悪化させる」

2021年2月10日(水)11時00分
テドロス・アダノム(WHO事務局長)

新型コロナは国際社会に対する警告だ。富裕国で全人口のワクチン接種が終わるまで、貧困国の数十億人を待たせることは倫理的に誤っている。私たちは誰もが、利用可能な最高の医療を受ける資格を持つ人間だ。住んでいる国の経済力は関係ない。

深刻なパンデミックの下では、健康に暮らす権利は生きる権利に等しい。私たちは可能な限り早く、世界中の人々を病気から守る必要がある。

世界中で感染拡大が止まるまで、どの国でもパンデミックは収束しない。それがグローバル化した世界の現実だ。この問題を克服するためには、世界中にワクチンを迅速かつ公平に配布する包括的な枠組みを確立する必要がある。

ウイルスから見れば、人類全体が1つの集団だ。ウイルスに勝つためには、私たちは一致結束して行動しなければならない。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2021年2月16日号掲載>

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