新型コロナ変異体は大人も子どもも区別しない

2020年12月23日(水)16時00分
カシュミラ・ガンダー

従来型のコロナウイルスはACE2受容体を見つけて結合し、細胞に侵入する能力が低く、子供よりも鼻や喉のACE2受容体の発現量が多い成人のほうが「侵入しやすい標的であり、子供たちは感染しにくかった」と、バークレーは説明した。

一方、新しい変異体は、大人も子供も関係なく、簡単に細胞に侵入することができる。だから子供も大人と同程度にウイルス感染しやすくなる、とバークレーは言う。「したがって、以前より子供の感染が増えることが予想される。それはウイルスが子供を標的にしているからではない。従来のウイルスほど子供に感染する力が弱くない、というだけのことだ」

ファーガソンはバークレーのコメントに続いてこう語った。「この仮説は現時点では証明されていない。だが、仮にこの説が正しいとすれば、今も感染が拡大している理由の大部分はそれで説明がつくのかもしれない。ただし、もっと詳しいことを知るためには、やらなければならないことがたくさんある」

「これまでの証拠は多くのデータの一部でしかなく、慎重に対応する必要がある。研究はごく初期の段階で、この変異種にはまだわからない点がたくさんある」と、Nervtagの議長で、オックスフォード大学熱帯医学グローバルヘルスセンターのピーター・ホービー教授は締めくくった。

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