アメリカ大統領選挙、再集計で結果が変わることはあるか?

2020年11月12日(木)21時17分

トランプ米大統領は大統領選で、票の再集計によってバイデン前副大統領の勝利を阻めたらと期待している。米国の選挙では再集計は日常茶飯事だ。特に州や地方政府レベルの選挙でよく行われるが、結果が覆った例は過去20年間で3件だけで、大統領選では1度もない。

再集計の仕組みと、過去の結果をまとめた。

Q:再集計とは?

再集計になると、当局は票の集計手続きをもう一度行う。米国の選挙全般では比較的おなじみの光景だが、大統領選では珍しい。

ウィリアム&メアリー法科大学院のレベッカ・グリーン教授は「再集計は日常茶飯事、ごく普通のことだ」と言う。教授によると、再集計では通常、最初の集計が相当に正確だったことが示される。ただ、最初と比べて小さな食い違いは出ることがあるが、それはしばしば、手書きされた投票用紙の判定などの問題で判断が分かれることが原因だ。

州ごとに再集計の取り扱いは異なるが、票を数え直すことになるのがほとんどだ。

ジョージア州では今回、99%開票段階でバイデン氏の得票率が49.5%、トランプ氏が49.3%で、バイデン氏が約1万2000票差で優勢だ。

今回、同州で投票所に出向いた有権者は、タッチスクリーン式の新たな投票システムを使った。このシステムでは、入力すると紙の投票用紙が排出される。これをスキャナーに読み込ませて集計する。不在者投票でも同じ投票用紙が使われ、同様のスキャナーを通った。

有権者がどの候補を選んだのか機械が判定できない場合には、超党派の選挙管理当局者らのグループが投票用紙を再点検し、有効票とするか、集計するならどう集計するかを決定。トランプ氏が再集計を求めた場合、ジョージア州の当局者はこうした作業を繰り返すことになる。

これとは別にトランプ氏陣営は、物故者や他州に転出した人々の票が集計されている証拠を見つけたと、根拠をほとんど示さずに主張している。トランプ氏陣営はまた、自陣営のボランティアが綿密な集計の点検を求めたが、阻まれたとも、さほど根拠を示さずに主張している。再集計はこうした問題には対処しないため、別の法的手続きで戦うしかない。

再集計手続きには数週間かかってもおかしくないが、一部の州は作業を終わりにする期限を設けている。

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