コロナ感染のトランプを「罷免」できる? 憲法修正第25条とは何か

2020年10月9日(金)13時45分
マシュー・インペリ

<トランプのコロナ感染に関する情報を明かさないホワイトハウス......議会はトランプ「罷免」に向けて動くのか>

新型コロナウイルスに感染したドナルド・トランプ米大統領の職務遂行能力への懸念が高まるなか、民主党のナンシー・ペロシ下院議長は8日、大統領の「罷免」について規定した憲法修正第25条について議論することを明らかにした。

下院民主党は9日、同条に基づいて、大統領に職務遂行能力があるかどうか判断する議会委員会の設置を提案する。

同条第4項では、大統領が例え拒否しても、副大統領に加えて、閣僚メンバーかまたは「連邦議会が法律で定める他の機関の長」の過半数が大統領職の権限と義務の遂行が不可能と判断した場合には、副大統領が直ちに大統領職を代行すると定めている。

民主党は、この第4項で定められた「連邦議会が法律で定める他の機関」の設置を求めている。

ペロシは記者団に対して、「トランプ大統領が陽性と分かる前に、最後に検査で陰性と出たのはいつだったのか? 感染時期を特定する重要な事実をなぜホワイトハウスは国民に明かさないのか?」と、政権の対応に疑問を呈した。

トランプの感染経路は依然不明

トランプは今月2日の感染発覚後に入院して治療を受けていたが、5日に退院してホワイトハウスで治療を継続している。しかし、いつの検査で最後に陰性が出たかは公表されておらず、現在の容体で職務を続けられるのかという懸念を呼んでいる。

憲法修正第25条は、1963年11月に当時のジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されたことを受けて、大統領職の遂行が不可能になった場合の職務の継承について定めたもので、65年に連邦議会で可決された。

ペンシルバニア州フィラデルフィアの博物館「米国憲法センター」が運営するホームページによると、同条は4項に分かれている。

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