ロシアの毒殺未遂にメルケルが強気を貫けない理由

2020年9月17日(木)17時10分
ブレンダン・コール

英バーミンガム大学ロシア東欧研究所のリチャード・コノリー所長は「対ロ制裁が行われる可能性はない」と予想する。「そのような制裁を科すには、EU加盟国の満場一致の同意が必要だ。各国に対して、ナワリヌイのために深刻な社会・経済的損失を被る準備があると表明しろと言うのは、無理な話だ」

仮に制裁が行われたとしても「資産凍結や、一部の個人の渡航禁止」のように、極めて小規模なものにとどまるだろうと、コノリーは言う。ナワリヌイ事件をめぐる騒動の出口は、すぐには見つかりそうにない。

<本誌2020年9月22日号掲載>

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