東京五輪まであと1年 アメリカなど世界の反応は?
前回のリオデジャネイロとは対照的な高需要
「東京五輪への関心の高さは記録的」と驚きを隠せないのは、ニュージャージー州に本社を置くコゥ・スポートの担当者。
同社は、オリンピック大会組織委員会の公式パートナーおよび、アメリカなど海外8ヵ国に割り当てられたチケットの正規販売店だ。同社で販売していた全競技のチケットはすべて、現時点で売り切れ状態になっている(東京パラリンピックのチケットは、まだ登録受付中)。
NY Daily Newsは先月、「東京オリンピックのチケット、手に入れた? 比類なき需要の高さで多くが失望」という見出しで、抽選販売で当たらなかった人が続出したことを報じた。「チケットが売れ残り、無料配布までされてしまった前回のリオ・オリンピックとは対照的だ」と同紙。
またオリンピック主催側の関係者の声として、「チケット総数は780万枚」だと同紙。このうち25%はスポンサーや関係者の手に渡り、20~30%は日本以外の国々で販売されているそうだ。非公式だが、AP通信の見積もりでは「日本で購入できるチケット数は400~500万」という情報もある。
いずれによせ、限られたチケット枚数に対してそれを上回る人々が抽選販売の登録し、多くの人が手に入れられずに失望したことを報じた。
オリンピックPR映像は外国人が抱く「ザ・ニッポン」
「One year to go!」を合言葉にオリンピック公式サイトではカウントダウンのためのウェブサイトが立ち上がったり、TVの各ニュースで報じられたり、ソーシャルメディアで「#1YearToGo」タグが使われたりと、「あと1年」ムードが徐々に国外でも高まっている。
中でも、YouTube「Olympic Channel」にアップされている「One Year To Go Special | Tokyo 2020」のPR映像が、「海外から見たザ・ニッポン」を50秒にうまく取り入れた内容になっていて興味深い。
富士山、回転寿司、鉄板焼き、コスプレ、渋谷交差点、夏祭り ── これこそ、海外の人々がイメージする今の「ニッポン」なのだろう。
YouTubeやソーシャルメディアに続々と挙げられている情報には、「さすがは日本、準備が着々だ」という意見や、「宇多田ヒカルのファンなので、彼女が歌ってくれればいいのに」など、日本ファンからオリンピックを心待ちにしている意見が多いが、中には「私は放射能のある場所には行かない」「選手に放射能たっぷりの食べ物を食べさせるなんて」といったような、風評被害とも言えるアンチからのコメントも根強く見受けられる。
アメリカでは2020年、五輪より大切なものが待っている
アメリカでは実際のところ2020年というと、オリンピックより大切なことが待っている。「次期大統領選挙」だ。
そもそも私の周囲の人々の反応をみても、次回のオリンピックが東京であるということは充分に認知されているが、「オリンピック? 次回はいつ開催だっけ?」といったような意見や「来年? 何月ごろにあるの?」というレベルの質問が出るくらい、現時点では「まだ」東京オリンピックについての一般的な人々の認知度や関心は低い。
「来年の夏ごろ、旅行で東京に行きたい」という友人がいたので、「オリンピックを観に行くの?」と聞いたら、「オリンピック?そうだったっけ? その時期は旅費も高くなるので、時期をずらそうかしら」というコメントもあった。
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