米商務長官、政府機関閉鎖で欠勤の職員を「嘆かわしい、ローン利用すべき」 民主党は猛批判

2019年1月25日(金)12時56分

ロス米商務長官は24日、1カ月超に及ぶ政府機関一時閉鎖の影響を受けている職員は、生活費支払いのためにローンを利用すべきとの認識を示し、職員がやりくりに困っている理由が理解できないとした。

ロス長官は資産家で、商務長官就任前は著名投資家として知られていた。

政府機関閉鎖によって給与未払いが続く中、一部職員が欠勤していることについて、ロス長官はCNBCに対し「嘆かわしい」とし、金に困っていることを理由に欠勤することは「正当ではない」と語った。

さらに「銀行や信用組合は影響を受けている政府機関職員に信用枠を提供すべき」と促したほか、トランプ大統領が前週、政府機関閉鎖の影響を受けている約80万人の職員に給与を遡及的に支払う措置を認める法案に署名したことに言及し、「給与は後に支払われる」と語った。

同長官は「彼らがローンを利用できないかもしれないという本当の理由はないし、金融機関は多くのローン広告を出している」と指摘した上で「本当にやりくりに困る理由は、本当は存在しない」と述べた。「少しの利息は払わなければならないかもしれないが」とも付け加えた。

これに対しトランプ大統領は、ホワイトハウスで記者団に対し、コメントは聞いていないとしつつ「理解はする」と発言。「おそらく彼は違う言い方をすべきだった」と述べた上で「だがウィルバー(・ロス長官)は素晴らしい仕事をしている、とあなたがたに言っておく」と述べた。

80万という人数は、連邦政府職員のおよそ4分の1。多くは失業扶助、フードバンクなどの利用で日々の生活をしのいでいる。

民主党は、ロス長官のコメントを批判。ウェクストン下院議員は「政権幹部から大統領までが、この地域における普通の人々の日常生活に対する共感と理解を完全に欠いていることを示す、非常に顕著な証拠の1つだ」と主張した。

ペロシ下院議長は記者会見で「これは『パンがなければケーキを食べればいいではないか』というような態度なのか、父親に無心しろということなのか」と批判した。

[ワシントン 24日 ロイター]




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