共通の敵を前にアメリカとギリシャが急接近

2018年9月5日(水)17時21分
クリスティナ・マザ

一方、ギリシャ政府が米軍との協力関係に積極的になったのは、ロシアやトルコとの関係が不安定になっているためだ。

ギリシャとトルコの関係は常に緊張しているが、両国がNATOに加盟したことで、紛争が勃発する可能性は大幅に減少した。だが最近は、トルコがギリシャ人兵士をスパイ行為で告発したり、トルコの戦闘機がギリシャの領空を侵犯したりという外交上のいざこざが相次いでいる。

ロシアとの間にも緊張が高まっている、今年6月、ギリシャと隣国マケドニアがマケドニアの国名を「北マケドニア共和国」とする合意に達したためだ。この合意でギリシャとマケドニアの数十年にわたる対立は解消へと向かい、マケドニアのEUやNATO加盟への扉が開かれる。マケドニアを足場にバルカン地域での影響力を拡大しようとしていたロシアにとっては最悪の結果だ。

ギリシャは、マケドニアのNATO加盟を阻止する工作を行ったとして、ロシアの外交官2人を国外に追放した。これを受けて、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、予定されていたギリシャ訪問を取りやめた。

(翻訳:栗原紀子)

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