日本は韓国のわずか3分の1 快進撃続ける韓国の映画観客動員数
<夏休みといえば娯楽大作が目白押しの映画界。ヒット作について語るときに引き合いに出される映画の観客動員数で日米韓を比べると──>
皆さんはどのくらいの頻度で映画館に足を運んでいるだろうか? 2017年の日本観客動員数は1億7448万3000人。2016年の記録には届かなかったものの2000年代としては歴代2位となった。また、映画公開本数は過去最高の1187本だった。
では、アメリカの動員数はどうだっただろう。2017年間観客動員数は12億2,531万人。1995年以降最低の数字となってしまったが、チケット料金が値上がりしたため売上高はそこまで落ち込むことはなかったという。さて、お隣りの韓国はどうだっただろうか? なんと、2億1,987万人でこの5年連続して年間観客動員数が2億人を超えている。日本の人口1億2,000万人に対して韓国は5125万人だから、いかに韓国人が沢山映画を見ているか分かるだろう。
映画はみんなで観るもの
その理由の一つとして、「お一人様の映画は寂しい」という韓国文化がある。元々韓国では「お一人様」文化がなかった。寂しがりが多いのか、何をするにもみんな一緒。韓国へ旅行に行って「料理を頼んだら二人前からしかなくて困った」という経験をした日本人も多いはずだ。しかし、近年ホンモク(お一人様ご飯)やホンヘン(お一人様旅行)など、単独行動をする若者も増えてきた。ところが、今でもアート系を除く一般映画はあまり「お一人様」の観客を見た事がない。デートや友達同士「みんなで一緒に行く娯楽」として定着しているからだ。身近なエンターテインメントで確実に2名以上の観客がやってくるため動員しやすいのだろう。
また、韓国では一般の人でも「先日観た映画が何百万人超えた!」「あの話題作、1000万人超えなるか?」など動員数で映画の成功や失敗を話題にする。日本では映画関係者以外、興行収入が何億円を超えたからヒットしたという概念はあまり無いように感じる。韓国では具体的な動員数がニュースにもなる事が多く、マーケティングにもよく利用される。映画制作会社は、先に何百万人越えを見越してポスターを制作。韓国では一般に公開するポスターは国の審査が必要なので、ヒットの兆しが見えた時点でデザイナーとマーケティング会社はすぐに専用のポスターを審査に出す準備をするのだ。
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