すっかり落ちぶれてしまったロシアの宇宙開発、ようやく再生の兆し

2018年6月1日(金)16時14分
鳥嶋真也

いっぽう、事実上の更迭となったロゴージン氏は、5月24日にロスコスモスの社長に就任した。悪く言えば天下りだが、これまで宇宙開発の酸いも甘いも噛み分けてきたロゴージン氏に、より現場に近い立場から改革を進める役割が期待されているのかもしれない。

さらに開発の現場でも、開発中の新型ロケットで品質管理に重きを置くことが定められるなど、さまざまなところで再生に向けた動きが始まっている。

しかし、この20年以上の停滞の間に、米国の宇宙ベンチャーなどは性能も価格も優れたロケットを開発。さらにロシアのお家芸だった宇宙ステーションや惑星探査の分野でも、中国が台頭しつつあるなど、たとえ立ち直れたとしても、以前と同じ地位に戻れる見込みは薄い。

ロシアの宇宙開発が復活するには、崩壊からの再生と同時に、米国の宇宙ベンチャーに追いつけるほどの革新を実現することが必要になる。だが、そのハードルは高く、厳しい道のりとなろう。


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