銃規制運動を率いる高校生は課外授業が育てた

2018年3月15日(木)17時00分
ダーリア・リスウィック(司法ジャーナリスト)

確かにダグラスの生徒たちは、公教育が無情に切り刻まれるこの時代に、比較的裕福な地区の学校で特殊な機会に恵まれた。だが、演劇やメディア、演説、政治活動、討論などをきめ細かく教育されてきた生徒たちが、偶然にも学校銃乱射事件の当事者となり、それを見事に発信してきたという事実を前にして、これが陰謀だ、扇動だと中傷することなど到底できないだろう。

はっきりしているのは、標準テストでは測れないような能力に重点を置く課外教育が、公民権運動に積極的な市民を生むということだ。

おそらく私たちは、教室にもっと多くの銃を持ち込むためにカネをつぎ込むよりも、政治に関わる姿勢とその能力を育てる教育課程にこそカネを費やすことを考えるべきだろう。ルビオからすれば、ダグラス高校は「傲慢さ」を育てている。だが世界中の人々から見れば、同校は「成熟した大人」を育てている。

<本誌2018年3月13日号「特集:アメリカが銃を捨てる日」から転載>

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