ティラーソンが去り、また軍人がやって来る

2017年12月9日(土)15時15分
ロビー・グレイマー、ダン・デ・ルース、ジェナ・マクラフリン

今回の報道に対し、国務省の職員は、疑念と衝撃と疲れが入り交じった反応を見せている。

「率直に言って、これがいいニュースなのか、悪いニュースなのか、私たちは判断できない。この1年ほどがあまりにひどい状態だったから」と、ある国務省職員は言う。最近の国務省は内部の混乱が続いており、職員は今回のようなニュースにあまり反応しなくなっていると、この人物は言う。

ティラーソン更迭報道に驚きは感じないと言う職員もいる一方、もうしばらくは職にとどまるのではないかと推測する職員もいる。ニューヨーク・タイムズなどへのリークは、ホワイトハウスがティラーソンに辞任を促すために仕組んだものだと疑う人たちもいる。

10月初めに、ティラーソンが7月にトランプを「間抜け」と呼んでいたと報じられたことをきっかけに、両者の関係は完全に悪化していた。それ以来、更迭の噂は絶えなかった。トランプは12月1日、更迭報道を「フェイクニュース」と否定したが、もしティラーソンが早期に退任すれば、(政権自体が交代した場合を除いて)過去120年で最も短命の国務長官になる。

そして、軍経験者のポンペオとコットンが国務長官とCIA長官に抜擢されれば、トランプ政権の「軍事化」が一層進みかねない。同政権では既に、ケリー首席補佐官、マティス国防長官、マクマスター国家安全保障担当補佐官など、軍人が中枢を占める傾向が際立っている。

ティラーソン退任後のアメリカの対外政策は、外交より軍事への傾斜を強めていくことになりかねない。

From Foreign Policy Magazine

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