トランプ、韓国を攻撃「FTA見直し、THAAD導入費負担せよ」

2017年4月28日(金)17時55分

トランプ米大統領は27日、ロイターのインタビューに応じ、韓国との自由貿易協定(FTA)を停止あるいは再交渉すると語った。

また、韓国政府に対しては、米軍による新型迎撃ミサイル(THAAD)システム配備の対価として10億ドルの支払いを求める考えを示した。

大統領は2012年に発効した米韓FTAについて、米国がカナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを完了した後、再交渉の対象になると指摘。

米韓FTAは「ヒラリー(クリントン前国務長官)が結んだ、受け入れられない、ひどい協定だ」と批判し、米国は同協定を「再交渉もしくは停止する」と語った。

米国税調査局のデータによると、米国の対韓国貿易赤字は、米韓FTA発効前の2011年は132億ドルだったが、2016年には277億ドルまで増えている。

トランプ氏の発言を受け、韓国の総合株価指数と通貨ウォンは下落に転じている。

韓国企画財政省の匿名の高官はロイターに対し「発言と実際の政策は異なる」と述べた。現時点ではトランプ政権から何の要請も来ていないとし、今後の動きを見守っていく必要があるとの考えを示した。また、FTA再交渉について韓国は公式要請をまだ受けていないとする前日の柳一鎬・企画財政相の発言に言及した。

韓国自動車工業会(KAMA)の幹部はロイターに対し、同国の自動車メーカーは米韓FTAが見直される可能性を懸念していると語った。KAMAは現代自動車や起亜自動車を含む自動車メーカーで構成される業界団体。

現代自動車の株価は発言後に約2.4%安で推移している。

またトランプ大統領はインタビューで、北朝鮮からのミサイル攻撃を想定して米軍が韓国に配備しているミサイル防衛システムのコストは約10億ドルだと説明。

「私は韓国側に対し、費用を負担するのが適切だと伝えた」と語った。

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