5割の社員がオフィスにこない、働き方満足度No.1企業
【参考記事】生活ありきの仕事環境がクリエイティブ・カルチャーを生む
「『ワークスタイル』は誰にでも、どのチームにも合うわけではない。さまざまな利害がからむ中で、移行の仕方についてバランスをとることが重要でした」(ゲーツ氏)。新オフィスには出社した人が刺激を受けられる工夫が詰まっている。
テクノロジーを駆使しながら、時代にあった働き方を促進していく
「イノベーションセンター」はテラス外部からの来訪者にも開かれたスペース。テラスの新しい製品やテクノロジーを公開するほか「社会をよりよくするには」等広く意見交換を行う。
この日はアルツハイマー病の患者が抱える問題をテクノロジーで解決する方法が議論されていた。流木を素材にしたクジラの骨格標本など、イマジネーションを刺激するアート作品も多く展示。ルーフトップガーデンではワーカーが野菜を栽培し、それを販売したお金をチャリティーに寄付しているという。各フロアには共同キッチンを設置。ワーカーが食材を持ち寄り、調理するところから食事を共にする。
エーオン・ヒューイット社による働き方満足度調査において、テラスは「世界で一番満足度の高い会社である」と評価された。項目はワーク・ライフ・バランス、リーダーシップ、レコグニッション(自分が認められているという認識)など。結果はチームごとにフィードバックされる。
「今後はより今の働き方が促進されていくでしょう。災害が起きたときにもフレキシブルに働く環境があることは重要です。一方で、人間のつながり、顔を見ることの大切さは変わらない。100%がモバイルワークになるとは思いませんが、テクノロジーを駆使してその方向に進むはず。経費削減や生産性、忠誠心、環境的観点など利点が多い。なにより若い世代がこうした働き方に慣れていますから」(ゲーツ氏)。
創業:1999年
売上高:約125億カナダドル(2015年)
純利益:約18億5000万カナダドル(2015年)
従業員数:約4万7700人(2015年)
http://www.telus.com
コンサルティング(ワークスタイル):自社
インテリア設計:OMB
建築設計:Henriquez Partners Architects
WORKSIGHT 09(2016.4)より
text: Yusuke Higashi
photo: Kazuhiro Shiraishi
- 前のページ
- 2/2