中国は新ビジネスのヒントの宝庫...中国人AI起業家が語る日本の「遅さ」、孫正義のすごさ
<IT大国・中国で人気のアプリから厳選した60種を紹介する『中国オンラインビジネスモデル図鑑』の筆者にインタビュー>
※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。
新型コロナウイルス感染拡大を背景に、オンライン化の機運が一気に高まった日本。この潮流は日本に限らず世界各地で加速し、新しい時代を快適に過ごすためのサービスが次々と登場しています。今秋にデジタル庁発足を控え、日本のデジタル革命はこれからが本番です。
IT先進国と言えばアメリカで、中でもシリコンバレーが有名ですが、中国も「アジアのシリコンバレー」と呼ばれる深圳をはじめ各地でスタートアップが勃興し、IT大国として存在感を増しています。
日々量産される中国系アプリ。はやりすたりも激しい中、特に利便性の高い60のアプリを厳選したのが2021年3月に発売された『中国オンラインビジネスモデル図鑑』(かんき出版)です。
来日10年超のIT起業家の著者、王沁(おう しん)さんに本書に込めた思いや日本への期待を伺いました。
来日後に日本語習得、大学で起業
── 王さんはもともと中国の大学に通われていたそうですね。
はい、大学でITを学んでいましたが、一念発起して中退し、2010年に日本へ来ました。もともと日本の文化、コンテンツに魅力を感じていました。来日当初は日本語をほとんど読み書きできない状態でした。カタカナ数文字のお店の看板を読むのに30秒もかかったほどです。
来日後は日本語学校で言葉を学びながら、引っ越しのアルバイトをしていました。体を鍛えながら、勉強にもなってお金も稼げました。ただ、同時に大学の受験勉強をしていたので、目が回る忙しさでした。人生で一番大変な時期でしたね。
慶應義塾大学に合格し、商学部でビジネスを学びました。在学中に日本と中国の企業の橋渡しをする華和結(かわゆい)ホールディングスを立ち上げました。
── 卒業後はどうされたのですか。
2016年にリクルートに入社しました。中国など海外企業との交渉を担当し、新規事業の開発もするようになりました。同時に華和結ホールディングスの経営も続けており、2021年2月にはリクルートを退社し、社長業に専念するようになりました。
中国の人気アプリを網羅
── 『中国オンラインビジネスモデル図鑑』を書かれたきっかけをお教えください。
リクルートで中国関連の新規事業開発の部署にいたとき、同僚に「中国にこういったアプリはありますか?」とか「中国のこのアプリの使い方はどうですか?」とかよく聞かれていたんですね。そうした経験から中国のオンラインサービスに対する日本の関心の高さを実感しました。中国のアプリをまとめた本があれば便利だしニーズがあるだろうと感じ、出版を思いつきました。
私はいいなと思ったらすぐに実行に移すタイプなのですが、実際書き始めたら大変なことも多かったです(笑)。本当は中国の開発者のインタビューも入れようとしていたのですが、コロナ禍でなかなか難しい状況でした。
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