弾劾で追い込まれたトランプが再選を投げ出す?

2019年10月29日(火)18時20分
サム・ポトリッキオ

野党の民主党がトランプの大統領罷免に向けた弾劾裁判を開始すること自体は難しくない。弾劾裁判を開くかどうかを決める下院は、民主党が過半数を占めている。

しかし、トランプを失職させるには、上院で3分の2以上の賛成を得なくてはならない。このためには20人以上の共和党上院議員が造反する必要があるが、共和党員はおおむねトランプ支持で一致結束している。一方、トランプ自身は、毎度のことながら自分への批判を「魔女狩り」だと罵り続けている。

もっとも、トランプがかつてないピンチに直面していることは間違いない。弾劾プロセスが本格化すれば、弾劾に値するような行動がさらに明るみに出るだろう。

最後に、私の思い切った予想を披露しよう。トランプは、来年の大統領選への出馬を取りやめる。共和党員がトランプに愛想を尽かす可能性もあるし、大統領選不出馬と引き換えに疑惑追及を停止することで「ディール(取引)」がまとまる可能性もある。そして、トランプは4年間の政権が大成功だったと自画自賛し、ついに自分のテレビ局を設立する......かもしれない。

<2019年11月5日号掲載>

【参考記事】「トランプには戦略的、抽象的な思考が欠如している。世界にとって危険なことだ」
【参考記事】弾劾調査:新証言でトランプ大統領「最悪の日」

※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

10月29日発売号は「山本太郎現象」特集。ポピュリズムの具現者か民主主義の救世主か。森達也(作家、映画監督)が執筆、独占インタビューも加え、日本政界を席巻する異端児の真相に迫ります。新連載も続々スタート!

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ