大坂なおみ選手の二重国籍が認められた!

2019年4月10日(水)12時00分
パックン(パトリック・ハーラン)

その中の1人は大坂選手かもしれない。22歳の誕生日までに選択宣言をしておけば、そのまま日本とアメリカの両方の国籍を持つことができる。アメリカが課する「国籍離脱税」を納めなくて大丈夫。日本代表にもなれる。アメリカへの出入国やアメリカでの経済活動もできる。好きなタイミングでコーチをクビにしても大丈夫。
  
おっと、最後は関係ないか。というか、どれも僕ら部外者には関係ないともいえる。国籍はとてもプライベートな問題であり、他人に口出す権利は誰にもない。そう思いながら、他人の国籍問題をきっかけにコラムを2つも書いてしまった。すみません。

ということで、大坂なおみ選手の二重国籍は認められる。うれしい限りだ!

でも、だからと言って、制度を改善しなくてもいいとは思わない。まず、1つ目のケースである「意図的に外国籍を取得した日本人」にも日本国籍の保有を認めるべきではないかと思う。世界各国に移住して活躍している日本人はたくさんいる。他国で国籍取得に値する活動をしても、それが日本国籍を解消されるほど日本に実害を与えているとは思えない。

そもそも、先進国の間で優秀な人材の取り合いが続いている昨今、二重国籍を認めようとする国が増えているのだ。2つの国や文化、言語などを知る国際的な人材は貴重な資源でもある。「日本の法律で裁かれる」などと条件を付けてもいいし、同盟国に限定したり、何らかの制限を付けてもいいから、海外で活躍する日本人にも、日本と世界をつないでくれる外国人にも二重国籍を認めるべきではないだろうか。

少なくとも4つの中の3つのケースに関しては、既に二重国籍が認められているならば、こんな長いコラムを読まなくても、それがすぐ分かるように法律で明文化してもいいのではないかと思う。今のように紛らわしいままだと、外国籍を持つ日本人が、本当は認められているのに、「ズル」をしている「隠れ二重国籍」だと思われてしまう恐れがある。僕も前回のコラムで、そんな心のない言葉で多くの人を傷付けてしまったかもしれない。心から反省しているし、責任をもって正しい知識を広めるように「努めないといけない」と思っている。社交辞令ではなくてね。

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