『なぜ君は総理大臣になれないのか』は誰に向けた挑発か──小川議員の17年に僕たちの選択を思う

2020年7月10日(金)12時15分
森達也

ここでタイトルの意味は明らかになる。なぜ君は総理大臣になれないのか。実直で誠実で高い志を持つだけでは不十分なのか。国会議員の2~3割は世襲議員という政界の現状。辞任した前法務大臣が身をもって示した選挙と汚れた金。裏芸と腹芸。国民の生活には何の関係もないこれらの要素をクリアしないと、この国で政治家になることは難しいし、ましてや総理への道は遠い。そんな政治状況を選択し、容認しているのは僕たち一人一人だ。ならば大島の挑発はどこに向けられているのか。それはもう書くまでもない。

『なぜ君は総理大臣になれないのか』(全国順次公開中)
©ネツゲン
監督/大島新
出演/小川淳也

<本誌2020年6月30日号掲載>

【関連記事】『i―新聞記者ドキュメント―』が政権批判の映画だと思っている人へ
【関連記事】山本太郎の胸のうち「少なくとも自分は、小池さんに一番迫れる候補」


※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月14日号(7月7日発売)は「香港の挽歌」特集。もう誰も共産党を止められないのか――。国家安全法制で香港は終わり? 中国の次の狙いと民主化を待つ運命は。PLUS 民主化デモ、ある過激派の告白。

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ