抗議デモに参加した17歳息子の足元に新品の靴 略奪に加わった可能性が...

2020年7月31日(金)16時30分
スレート誌人生相談員

A:今回の暴動は、黒人が「システム」に従って「善良な市民」たらんと努めたところで自由が保障されるとは限らず、孫の世代に今よりも公平な世界を残せるわけでもないという現状に端を発しています。

警察への通報が黒人にいい結果を生むことはまずありません。警察が見せしめのために、そして自分たちの存在意義を示すために、あなたが思うような微罪でなく重い罪状で息子さんを逮捕する可能性は大いにあります。もしあなたや息子さんが警官に殺されたとしても、まともな責任追及が行われることなど期待できません。そんな警察に、たかが靴を1足盗んだくらいのことで息子を出頭させようという黒人の父親がいるとは驚きです。

盗みが許せないなら、損失分を店に弁償する方法(ただし、息子さんのことがばれないように注意しつつ)を考えましょう。靴は奥さんの言うように寄付すればいい。

この国の人種差別の歴史によって息子さんは、靴では埋め合わせできないくらいの重荷を背負わされている。私はデモに参加した息子さんたちを誇りに思います。

──ジャミラ・ルミュー(文化評論家)

©2020 The Slate Group

<本誌2020年6月30日号掲載>

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