韓国、南北軍事会談を提案 対話実現へ働き掛け具体化

2017年7月18日(火)12時47分

[ソウル 17日 ロイター] - 韓国国防省は17日、北朝鮮に対し、南北軍事境界線付近での敵対的行為の全面停止に向けた軍当局の会談を21日に板門店北側の「統一閣」で実施することを提案した。5月に就任した韓国の文在寅大統領が南北対話への働き掛けを具体化させた。

大韓赤十字も、南北離散家族再会事業の実現のため、赤十字会談を8月1日に開くことを北朝鮮側に呼び掛けた。

政府当局者間の会談は2015年12月以来実施されておらず、南北離散家族再会事業も同年10月に行われて以降停止状態にある。

北朝鮮は今月初めに大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行うなど、核・ミサイル開発を加速させているが、文大統領はドイツで今月開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議でICBM発射を「挑発行為」と非難しながらも北との対話を目指す考えを示していた。

趙明均統一相は会見で「朝鮮半島の緊張緩和や和平実現に向けた南北対話と協力は、南北関係や北朝鮮の核問題で互恵的な好循環を生み出すことに寄与する」と強調。

また、北朝鮮が昨年遮断した、軍用通信線と政府間ホットラインの回復を求めた。

文大統領は先に、敵対的行為を1953年の休戦協定締結64年となる7月27日に停止することを提案している。

米国のスパイサー大統領報道官は韓国の提案に対し「トランプ大統領は現状について、(対話再開)の条件が整っているという状況からかけ離れていると強調してきた」と述べ、冷ややかな反応を示した。

中国は韓国の提案を歓迎。陸慷・外務省報道局長は定例会見で「南北が現在の行き詰まりを打開し、対話・協議の再開に向けた環境を整えるため懸命に取り組むことを望む」と述べた。

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