英大衆紙、保守党への投票呼び掛け 「EU離脱完遂できる」

2017年6月7日(水)11時12分

[ロンドン 7日 ロイター] - 英国の新聞で発行部数が最大の大衆紙サンは7日、翌日の総選挙でメイ首相率いる保守党へ投票するよう呼び掛け、労働党政権では欧州連合(EU)離脱を成功させることは不可能だと主張した。

選挙では保守党の勝利が見込まれているものの、世論調査では野党労働党に対するリードが縮小しており、過半数割れを見込むものもある。

昨年のEU離脱の是非を問う国民投票で重要な役割を果たした反欧州派の独立党(UKIP)は、前回2015年の総選挙で約13%の得票率となったが、今回の支持率は約4%となっている。

サンは全面記事で論説を掲載し、「保守党だけが、ブレグジット(EU離脱)を完全に成し遂げることにコミットしている」と主張。UKIPはもはや何の目的にも貢献していないと断じた。

さらに同紙は「保守党が反対勢力の手を借りずにブレグジットを実現するため十分な多数議席を確保できるよう、これまでUKIPに投票していた有権者すべての支持が必要だ」と呼び掛けた。そして、労働党の左派指導者であるコービン党首が政権を取った場合、「建国以来、最も重大な誤り」を犯すことになると警告。

「保守党の選挙戦は非常に上手くいっているわけではないが、ビジネスや雇用、減税を優先する方針を打ち出している。大半の世論調査が保守党勝利を予想しているが、油断してはならない」とし、「明日は選挙へ行こう。たとえ初めてでも、保守党へ投票しよう」と訴えた。

サン紙は高級紙タイムズと同様、メディア王のルパート・マードック氏が保有し、発行部数は160万部以上。購読者はこの2倍とみられる。

発行部数で国内2位のデーリー・メールは10ページにわたり、コービン党首批判を展開。前回の総選挙ではUKIP支持を表明したデーリー・エクスプレスは保守党、左派の高級紙ガーディアンは労働党支持を打ち出した。エコノミスト誌は前週、メイ首相への支持をやめ、EU寄りの自由民主党に乗り換えた。

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