イタリア五つ星運動、政権獲得へ準備進める 連立は依然不透明

2017年4月27日(木)16時10分

[ローマ 26日 ロイター] - イタリアで支持率トップの新興野党「五つ星運動」が1年後の総選挙に向けて主要な分野で政策をまとめている。選挙で勝利する公算が高まる中、反既成政治政党のイメージを薄め、政権運営を担う用意があることを示す狙いがある。

同党所属の議員は主要項目について政策綱領をまとめ、党員に是非を問うためにオンラインによる投票を行っている。これまでにエネルギー、外交、雇用などに関する方針を発表した。だが他党との連携についてはどのような姿勢で臨むか明確にしていない。

総選挙は2018年の早い時期に行われる予定で、世論調査によるとどの政党も単独では過半数を獲得できない見込み。

五つ星運動は反ユーロや多国間の貿易協定拒否で右翼政党の「北部同盟」と一致点を見いだせる公算が大きい。その一方で環境重視や貧困層向けの所得保障などの主張は左派政党に近い。

ボローニャ大学のピエロ・イグナツィ教授(政治学)は「(五つ星運動は)現在左派と右派両方から支持を得ているが、いずれ立場を明確にしなければならなくなる。そのときに問題が生じる」と分析した。

フランス大統領選の決選投票に進んだ中道系独立候補のマクロン氏と極右政党である国民戦線(FN)のルペン氏について、五つ星運動はどちらの候補とも「ほとんど共通点がない」と指摘した。

同党の有力議員であるアレッサンドロ・ディバティスタ氏は「われわれはトランプ米大統領もプーチン・ロシア大統領も支持していない。また反欧州連合(EU)でもない。EUが強くなることを望んでおり、米国への盲従に失望している」と語った。

五つ星運動は外交政策について、国連憲章の「厳格な」適用を主張し、一方的な武力行使を批判している。またEUの財政ルール順守を加盟国に求める仕組みの廃止を訴えている。

エネルギー分野では電気自動車と再生可能エネルギーの普及を目指し、2050年までに化石燃料の使用を廃止するとしている。

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