仏検察当局、フィヨン元首相の妻を捜査 大統領選に影響も

2017年1月26日(木)13時49分

[パリ 25日 ロイター] - フランスの検察当局は25日、大統領選で最有力候補とされる中道・右派統一候補、フィヨン元首相の妻ペネロプ夫人が給与を不正に受け取っていたとの報道を受け、夫人に対する予備的捜査を開始した。

25日付の週刊紙カナール・アンシェネは、ペネロプ夫人がフィヨン氏の議員秘書などの名目で総額60万ユーロ(64万5000ドル)の支払いを受けていたが、実際には働いていなかったと報じた。

報道の数時間後、検察当局はペネロプ夫人に対し、公金の不正支出、企業資産の不正使用、不正行為の隠ぺいの容疑で予備的捜査に着手したと発表した。

フィヨン元首相はこれまでスキャンダルとはほぼ無縁で、敬虔なカトリック教徒であるとともに家族思いの人物としての印象が好感され、 4月23日と5月7日に行われる大統領選で最有力とみられている。だが、こうしたイメージが悪化するリスクへどのように対処するかによっては、選挙戦に影響が及ぶ可能性がある。

フィヨン氏は捜査を開始した検察当局の迅速な決定について「誹謗中傷の報道を鎮静化するとともに、根拠のない批難を終わらせることになるだろう」と述べた。

またフィヨン氏の広報は、ペネロプ夫人の議会での仕事に違法行為はまったくなかったと強調。夫人は控えめな姿勢で「背後で」働く意向だったため、職場では目立たなかったと説明した。

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