米債務上限引き上げと予算案で与野党が合意、下院は28日採決へ
[ワシントン 27日 ロイター] - 米ホワイトハウスと与野党の議会指導部は、連邦債務上限の引き上げと2016、17会計年度の予算案で合意に達した。今後の焦点は議会が迅速に法案を可決するかどうかに移る。
共和党のベイナー下院議長は27日、党会合で予算案の内容を説明。28日に採決を行い、上院に送付する考えを示した。
下院では29日、退任を表明しているベイナー氏の後任を選ぶ議長選出が予定されており、30日の退任までに与野党の大きな争点となっている問題を片付けたい意向のようだ。
議長就任が有力視されているライアン下院歳入委員長は記者団に、合意の詳細を精査するまで賛否に関する態度を保留すると述べた。
ホワイトハウスは、議会の与野党双方に対し、指導部が合意した予算案を可決するよう要請した。予算案は国防、国内プログラム向け双方の強制的な歳出削除を回避するとしている。
合意では、米国の借り入れ権限を2017年3月まで延長する。
米財務省は来週11月3日にも資金が枯渇するとしており、議会が債務上限引き上げで迅速に対応しなければデフォルト(債務不履行)のリスクが迫る。
また議会は12月11日までに連邦プログラム向けの新規資金手当てで合意しない限り、大半の政府機関は閉鎖に追い込まれる。今回の合意は大枠のみで、詳細は今後詰める必要がある。
2年度分の予算案では、歳出を今後2年間に計800億ドル拡大する。増加分は国防費と国内プログラム双方に均等に振り分けられる計画で、500億ドルを2016会計年度(2015年10月1日━2016年9月30日)、300億ドルを2017年度予算に充てる。
歳出増の原資を確保するため、2018会計年度から6年にわたり5800万バレルの戦略石油備蓄を売却することも盛り込まれた。
米国は戦略石油備蓄として、テキサスとルイジアナに6億9500万バレル超の原油を保有。議会は新薬プログラムや高速道路の維持管理の原資を手当てするため、今年に入り何度か石油備蓄の売却を検討している。
エコノミストは備蓄削減自体は正しい方策としているが、原油価格が低迷する中での売却はタイミングが悪いと指摘している。
*内容を追加し、写真を差し替えて再送します。
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