IMF、アルゼンチン経済統計の改善不足で審査を1年延長
2015年6月4日(木)12時48分
[ワシントン 3日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は3日、アルゼンチンに義務付けた経済統計の質向上について声明を出し、国際基準を満たすための十分な措置を講じていないとし、審査を1年延長すると述べた。
IMFは2013年、アルゼンチンが物価と国内総生産(GDP)統計の質改善を怠っていると指摘し、同国に制裁を科す可能性を示していた。制裁を受ければIMFの政策やIMFからの資金借り入れに関する投票権を奪われる可能性があった。
IMFはその後、同国が具体的に取り組むべき点を示して達成期限を設けたが、3日の声明ではこれらが完全には達成されなかったと述べ、年次審査を1年延長するとした。
IMFは昨年12月には経済統計改革が進んでいると評価していたが、多くのアナリストや民間エコノミストは同国の経済指標の正確性を疑問視し続けていた。
アルゼンチンは2014年に過去12年間で2度目のデフォルトに陥り経済見通しがさらに悪化したため、政府は市場と消費者をなだめるためにより楽観的な数字を公表するようになった、との批判もある。
アルゼンチンは2007年初め以来インフレ率を低めに発表し続けてきたとされており、政府は2014年、消費者物価指数(CPI)の見直しで合意した。しかし改正後のCPIでもインフレ率はアナリストの予想を下回り続けている。
政府の先月の公式データでは4月のインフレ率は1.1%で3月の1.3%から低下した。今年のインフレ率は15・8%としている。民間エコノミストの予想は20%を超え、世界有数の高インフレとみなされている。
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