イエメン南部アデンに初めて援助物資、「フーシ派」は攻勢強める

2015年4月9日(木)13時55分

[アデン(イエメン) 8日 ロイター] - イエメン南部の港湾都市アデンで、イスラム教シーア派系武装組織「フーシ派」による攻勢が勢いを増している。こうした中、「国境なき医師団」は、緊急援助物資を積んだ船舶が8日、アデンに入港したと明らかにした。

医療援助物資がアデンに届くのは初めて。医薬品など2.5トン分が運ばれたという。また、赤十字国際委員会(ICRC)によると、外科医のチームも船舶で同地に到着した。 

アデンの住民らによると、数十人の遺体が路上に放置され、建物がロケット弾で破壊されているほか、インフラが切断されるなどアデンの一部は壊滅的な打撃を受けている。

すでに首都サヌアを制圧した「フーシ派」は、イランの援助を受けているとされ、3週間前からアデンを攻撃対象としている。これに対し、サウジアラビアなどは「フーシ派」への空爆を行ってきた。

一方、イランは「フーシ派」への武器供与を否定。サウジ主導のイエメン空爆を非難するとともに、イラン船舶を保護するためとして空母2隻をアデン湾に派遣した。

世界保健機関(WHO)によると、イエメンでは戦闘により少なくとも643人が死亡、2200人以上が負傷したほか、数万人が避難を余儀なくされている。

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